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退学を脅された東洋大学学生を応援するのだ 2
文・名無シー/鎌田浩宮
編集・鎌田浩宮
2019年1月21日。
東洋大学で
学生が立て看板を掲げ
ビラを配っただけで
大学職員から
退学を勧告された。
エプスタインズにて
度々登場する
映画評論家・名無シー。
エプスタインズ・鎌田浩宮は
東洋大学出身。
タテカンを掲げた「彼」を応援すべく
語り始める第2回。
東洋大、竹中平蔵氏批判の学生に「退学」勧告? 立て看板とビラ配布
東洋大白山キャンパス(東京都文京区)で、一人の学生が、同大国際学部教授の竹中平蔵氏を批判する立て看板を掲示し、ビラをまいた。竹中氏は小泉政権時代に構造改革や規制緩和を主導した経済学者だ。学生の抗議活動は大学側により直ちに中止させられた。学生は「大学から退学を勧告された」と訴え、毎日新聞の取材に「おかしいことをおかしいと言えないのは、おかしい」と大学を批判する。大学側は退学させることはないとしている。【大村健一/統合デジタル取材センター】
以下はこちらをクリックしてお読み下さい。
2019年1月26日 毎日新聞電子版より
グローバル化=郊外型ショッピングモール
(編集部注:ここで、名無シーが着目したばくさんのツイートを挿入します)
東洋大学は14年に文科省からスーパーグローバル大学に認定され、竹中氏が就任した16年以降、国際化を加速させてきた。結果、1887年(明20)に「哲学館」として開学した際から専門分野にしてきた、哲学科を統合再編・縮小するに至ったとのこと。スーパーグローバル大学改革の行き着く先がこれである。
名無
グローバルって、郊外型ショッピングモールなんだな。巨大資本が地域文化をぶち壊して、そこを金儲けだけの対象に変えることだ。哲学館は壊されたんだね。
鎌田
船橋君が、自身のFBにて、東洋大・社会学講師・楠秀樹さんが講義内で以下のような事を話してくれたそうですね。教える側にも両親を持ち、声として上げる人がいて嬉しいです。以下、その抜粋をさせてもらいます。
東洋大学でも講義を行なってる楠秀樹先生より。
講義内で東洋大学の問題について取り上げてくださいました。
「今日は白山のラストだった。子どもの貧困の話などしたあと次のような話をした。
この貧困や格差に困窮する現在の日本のあり方の根本には、小泉政権以来の雇用や経済の変化がある。昨年この講義を受講していた学生がタテ看板やビラを配ったとニュースになったが、たしかに竹中平蔵氏は、学者としてではなく、政権の中枢で今の日本をつくった責任がある。大学でこの講義に限らず、文系科目では悲惨が取り上げられているが、たしかにその原因の一端がこのキャンパスで存在していることに対する抵抗感を私も禁じ得ない。」
名無
楠先生、いい先生ですな!楠先生の言う子供の貧困、昨今こども食堂など救いの手を差し伸べる人がいますが、不登校児の問題とも関係はあるでしょうね。親の貧困、ネグレクト親、暴力親。貧困や、それ以外の貧困とも関わる要素が、子供にもしわ寄せしていますね。
実生活と哲学は別のものなのか
名無
さて、先ほどの哲学科の学生気質について、話を戻しますね。現在、多くの哲学者が存在論や認識論と倫理の問題を一緒に語ることはありません。哲学をしている彼らと、日々の生活に追われる彼らとは、行動原理が別々なのです。
ただ、外見上座学に見えるものも、人によっては行動と関係ない知識ではない場合もあります。物凄く真剣に実在について悩んでいた学生は、中抜きでショートさせてアウトプットすることは許されなかったはずです。
ショートがOKなら、善かれと思って悪事を為すグノーシス主義みたいなものに道を開く所もあり、また、人間の知の構造のそう言う難点が決定的に解決されたことは無いわけです。
何にも出来ない哲学の徒も誰にも負けないほど真剣な場合があります。これはステロタイプでは片付けられない問題を含んでいます。普通の生活者の世界観のパラダイムで生きるときは、そう言う格闘は全部括弧に入れなきゃならないわけです。
鎌田
僕が当時の哲学科を愚かなステレオタイプで切ってしまったのは、では今の哲学科の青年たちは、船橋君に対してどのような反応をしているのかな?と思ったからです。
辺野古で日々カヌーに乗り、腐れ海上保安隊と闘っている芥川賞作家・目取真俊さんは、様々な理由があれど、評論家のようになってはいけない、行動に移さねば何にもならないと、彼のブログで語っています。
船橋君は孤独を感じていないか?どうなのでしょうね…?
名無
船橋君の専門はカント周辺らしく、しかも、哲学を勉強したくて東洋の哲科に来たそうなので、彼がもしその線でカント以降の現代哲学もしっかり勉強してきた人なら、既に哲学を学んでいる時点でまず世界に向き合う自分の孤独は噛みしめていた可能性はあるかと思います。
そして、哲学の及ばない日常世界での彼は孤独なのかと言うところですが、批判の矛先を見るに彼は一定以上の常識を、バランスを崩さず保持できるくらいに社会性を持って楽しく生きている印象もありはしないでしょうか。
イケメンとは言わないまでも、多分、そこそこモテる位の青年にも見えますね。しかも、我々世代にはなかったウェブが、彼に与する様々な生き方の人々と彼を結びつけてもいる。しかも、自分でそれをたぐり寄せている。
その手腕で、これまでひとりぼっちだったとは思えないし、感想は学校の仲間にも訊いてみた的な話も無かったでしょうか。
次回へ、続く!
2019.02.07