太陽へ手紙

太陽へ手紙  

作曲作詞・鎌田浩宮

 

ああ 太陽に訊きたい
もう 打破できない
乞食の親父に奢ってもらっても
何も食えない飲めない
毎日ひどい吐き気に襲われ
しかもどきどき動悸が
激しくなりやがるそんな今日この頃

体の方がこうだと
心の方まで 辛くなりやがる

何もかもが辛く悲しく見えてくる
そう何度もこんな事 あるのかな あるのだろう

ああ 太陽の日々が
あの イカした俺が
全部まやかしごまかしひやかし
うたかただったようなそんな 風に思えてしまう
死んでしまいたい そんな勇気はないが
死にゆくように 眠りたいそんなこの頃

見つめなくていいのに
心の中には そんなところだってあるのに

何もかもが辛く悲しく見えてくる
もう何度もこんな事が あるのかな あるのだろう

小さな風船 たくさん抱え
空飛ばんとする 風船小父さん
あああの 乞食のコートを
翼と見出し 空飛ばんとする鳥男
今どこにいるんだい?
今何が空から降り注いでいるの?
俺の上には飛んできてくれないのかい
俺も一緒に連れて行ってくれないか

おいここだよ
ここにいるよ
太陽へ手紙を書こう
この先俺には何が降り注ぐ

何もかもが辛く悲しく見えてくる
そう何度もこんな事 ないのだろう あるのだろう

 

静かな、スローテンポの1曲目から変わって、2曲目はファンク。
ジェームス・ブラウンだべか、レッド・ホット・チリ・ペッパーズだべか。
鎌田浩宮が26歳の時大病をし、その時に苦しみながら創った曲。
確かに歌詞だけ読むと、充分イカレてる。
でもって、風船おじさんという懐かしいフレーズも。
風船おじさん、覚えてる?
日本からアメリカまで上昇気流に乗って、風船だけで飛行しようとし行方不明になってしまったあの事件だ。
当時、大きく報道された。
でもって、当時公開されたつげ義春原作・竹中直人監督「無能の人」に登場する、鳥男の名前も。
どう見ても黒いコートを着た野宿者なのだが、主人公には大空を自由に羽ばたく鳥に見えるのだ。
「おおい…俺も連れてってくれえっ!」
叫ぶ竹中直人演じる主人公に、涙しない訳がなかった。
鎌田浩宮は、どこへ連れて行ってほしかったのか。
ちなみに曲名はキャマダの友達が、子供の頃太陽へ手紙を書いていたというエピソードにインスパイアされてつけた。


2016.11.28