EPSTEIN TALKS ABOUT FUTENMA#55「県民大会」

構成・鎌田浩宮

 

 

fuckin’ U.S.base
get out here !

 

 

2016年4月28日に発生し、同年5月19日に逮捕となった、元米海兵隊員によるレイプと殺人と死体遺棄。
米軍絡みでは最悪となった、この事件。
僕はエプスタインズに、何も書けないでいました。
もちろん、米軍は沖縄から出ていけ、という気持ちに変わりはありません。
出ていけないのなら、僕の近所の駒沢オリンピック公園にでも、海沿いのお台場にでも米軍基地を造り、本土が肩代わりをしろ。
ただ、今回の犯人の奥さんがウチナーンチュであり、2人の間には愛すべき子供がいること、そのことが筆を走らせませんでした。
奥さんがまだ犯人を愛しているのなら、犯人がまだ妻子を愛しているのなら、と考えると、真相を知るまでは安易に書けませんでした。

辺野古のある名護市からいつもエプスタインズにレポートしてくれるやんぼうさんにも、思いを尋ねました。

「今回の事件の事や日米地位協定の事等、NHKなどを観ても、なんだか他人事な報道の感じでなんだかなぁ、とういう感想でした。
ただただ同じ日本人なんだと思われていないのだなぁ。
ずっとモヤモヤしているだけで、自分自身にも何だかなぁとはっきりしない自分に許せない、中途半端な状態です。」

という複雑な心境を吐露してくれました。

しかし僕は、そのこととは別に、基地さえなければこの事件は起こらなかった、という思いは強固です。
米軍は出ていけという思いに、変わりはありません。
そして、同年6月19日を迎えました。

ファッキン自公が参加しない、65000人の「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会」。

それを受けて、僕の大好きなウチナーンチュの芥川賞作家・目取真俊さんが、ブログ「海鳴りの島から」で書かれていたことが、僕の腑に落ちたので、大変失礼ながら無断転載します。
作家生活を長期中断し、辺野古でほぼ毎日カヌー隊に参加し、米軍とそれを守る海上保安庁に抗議活動を行なっている彼だから書ける文だと思います。

県民大会に参加したあと自分に何ができるのか。何をやるのか。

(前略)
正直言って、県民大会に参加するかどうか迷う気持ちがあった。参加したあと自分にどれだけのことができるかを考えると気が重かった。
(中略)
1995年10月21日の集会のあと、私たちは何をしてきたのか。その結果として今回の事件がある。掲げたスローガンを実現するために自分自身が具体的に何をするのか。日米両政府は沖縄県民の動向を観察している。〈海兵隊は撤退を〉〈怒りは限界を超えた〉というなら、ではどうそれを行動として表すのか。
在沖海兵隊の撤退は、決して難しいことではないと私は思っている。今日の県民大会に参加した人の10分の1でも、普天間基地や嘉手納基地のゲート前に座り込んで米軍基地を1週間封鎖すれば、米政府は真剣に撤退を考えるだろう。非暴力の直接行動で少し努力すればできることを、私たちはやらないでいるだけなのだ。
そこまでやらないで、本当に沖縄の現状が変わると思っているのか?


2016.06.20