- 2023.03.26:walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:walkin’ to the beat everlasting③
- 2023.02.12:walkin’ to the beat everlasting②
- 2023.02.11:walkin’ to the beat everlasting①
- 2022.04.28:平和は、この曲であろう。30日目 World Citizen
- 2022.04.23:平和は、この曲であろう。29日目 スマイル
- 2022.04.21:平和は、この曲であろう。28日目 世界中が I love you
サブ・コンテンツ
- 2023.03.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:[Radio] walkin’ to the beat everlasting③
忌野清志郎ロックン・ロール・ショー 渋谷公会堂 Love&Peace
写真/文・鎌田浩宮
5月2日を、
チャボと
すごせれば。
渋谷駅から、徒歩1分。
西武百貨店の辺り。
ゆっくり歩かないと、前の人にぶつかってしまう。
人の、渋滞。
最近、小諸や東北へ行く機会がすごく増えたので、東京を歩くと、
「絶対ここで、お祭りやってるんだろうな」
と思う。
人がこんなに歩いているの、見ないもの。
ジァン・ジァンがあった所を抜け、パルコが見えてくる。
「すべてはALRIGHT」
の、パルコだ。
この人々の全てが、渋公に行くんじゃない。
だとしたら、どのお祭りへ行くんだろう?
お祭り?
違うぜ。
偲ぶんだ。
渋公だ。
懐かしい。
チャボとか、アッコちゃん、細野さん、僕が行くライヴの客層に加え、若者も多い。
子供連れも。
民生のファンとか、かなあ?
おい、皆、脱原発デモにも、行けよなあ。
あの手の、今や50代以上ばかりだぞ。
こういうことを書くと、嫌がる人もいるんだろうか?
キヨシローは、嫌がらないと思う。
恒例の手ぬぐい、今年もいただいた。
客入れのBGMは、RCサクセション、キヨシローのソロ。
お客さんの中には、「ネズミに捧ぐ詩」を読んでいる人も多い。
僕の場合、注文したこの本が家に届くのが遅くって、予定より家を出る時間が遅くなっちゃった。
そういえば、ここに来る前、地元の本屋へ行ったのだ。
「ネズミに捧ぐ詩」を覗きにね。
そ、そ、そうしたら、平積みどころか、本自体を見かけられないではないか。
駄目だ。
駄目だぞ、TSUTAYA BOOKS三軒茶屋店。
猛省しなさいね。
禁、
コピー。
1組目は、トータス松本。
彼が1曲目の「あの娘のレター」を歌った際に、ウルフルズの歌詞を盛り込んだことをMCで語ると、僕のいた2階席からおそらく、キヨシローの曲をちゃんと歌え、というような野次が飛んだ。
ステージはおろか、1階席にも聞こえてなかっただろうけれど。
野次の内容はさておき、昔のライヴは、野次や冷やかしが、普通にあった。
泉谷とか、岡林とか。
そういった、ロックの伝統の残り香が残っていて、嬉しかった。
今回はスケジュールが合わず、初めてこのイヴェントを欠場したアッコちゃんが言っていた。
キヨシローのトリビュートライヴへ行くと、皆キヨシローのようにシャウトし、歌う、と。
僕もそれは感じていて、それじゃあカバーじゃなくてコピーだよ、だったらキヨシロー本人のテイクを聴いた方がいい、と。
2011年の第1回のこのイヴェントでの、ハナレグミの「多摩蘭坂」は、エフェクティブなギターがオリジナリティー溢れてて、それでいてキヨシローの世界をうまく描いていてよかったなあ、なんて思う。
もちろん、アッコちゃんの歌うキヨシローも、好きです。
そういった印象というのは、出演者全てが、ギター1本での弾き語りということで統一した今回も、感じた。
これまでの前3回の中には、キヨシローと深い交流なんぞなかったんじゃねえの?という人まで出演していたけれど、今回はトータス、真心、民生という、キヨシローを心底敬愛しているミュージシャンに、出演を絞った。
それはすんごくよかったんだけれど、ものすごくキヨシローに影響を受けている3組だからこそ、彼らがオリジナリティーを出そうと出さまいと、自ずとキヨシローに似てしまう。
法事というものがある。
1周忌くらいまでは悲しみが強くても、年を重ねるごとにそれは薄まっていき、次第に親戚の顔合わせ会のようになり、最近どうしてる?だなんて世間話に話を咲かせる。
僕にとって5月2日は、まだ、悲しみの日だ。
ステージ上で楽屋ネタを話されても、僕には笑えない。
僕は今の日本のロックをあまり知らないのかも知れないんだけど、ユルさというものを、基の1つにしているのかなあ?
僕は、RCサクセションの持つ、疾走感が好きだった。
だからこそ、前3回の中でも、クロマニヨンズの演った「ROCK ME BABY」「ベイビー!逃げるんだ。 」や、kenkenとノブアキとマリちゃんが演った「MIDNIGHT BLUE」がたまらなかった。
そして、今回。
チャボは、MCの1つにしても、気を入れた。
サイコーに、
浮いてる。
もう既にお読みの皆さんも知っていて、びっくりしただろうが、なんとチャボは2組目の登場だった。
チャボは、絶対に、トリだろう!
あり得ないことが、目の前で起きている。
もちろんスタッフも、全力で止めたんだろうけれど、それがチャボの意思だったんだろう。
右側には、オレンジ号と、キヨシローのエレギが、ちょこんと座ってる。
じゃあ、きっと、来ているね、チャボの歌を聴きに。
左手のヒトハタウサギの右横に、キヨシローのアコギが座ってる。
いつでも虹の向こうから、歌いに来てもいいように。
チャボは、歌と歌の間に、挟んだ。
それは、MCなんぞというものでは、なかった。
「詩のようなものを書いてきたんだ、聞いてくれ!」
と、確か言った気がする。
ある意味、RCが始まった、渋谷は特別な場所。
青い森。
屋根裏。
初めて演った渋公。
RCサクセション。
忌野清志郎。
そして今日、5月2日の、渋公。
そんな言葉たちだった。
僕は、眼鏡を外して、涙を何度もぬぐった。
楽屋で誰それとナニガシがあって、だとかそんなMCから、
チャボだけが、浮いている。
この、2組目だけが、浮いている。
サイコーに、浮いている。
チャボのファンで、よかった。
今日、チャボがいてくれて、よかった。
僕らは、5月2日という日に、笑いたくって、高いカネを払って、集まっているんじゃない。
お祭りじゃない。
夏フェスなんぞでも、ない。
偲びたいんだ。
そこらの法事とは、違うぜ。
「ボスしけてるぜ」でビートルズやストーンズのリフを入れ、
「ぼくとあの娘」で青い森へ飛んで行き、
「まぼろし」では屋根裏だろうか、
「けむり」で楽器は、心の中のケンチとリンコに任せ、チャボはギターをパーカッションのように叩き、
「夜の散歩をしないかね」で早々に去っていく。
それらは忌野清志郎のカバーでもコピーなんぞでもなく、もうチャボの歌だった。
そんなの、当たり前だ。
当たり前なのだ。
歌の間に、なんと奥田義行氏に感謝の言葉を述べたのにも驚いた。
そして、初めて武道館に立たせてくれたCharにも、感謝を述べた。
その後の後に出てきたCharは、俺こそRCの追っかけだったんだよ、一緒に武道館へ出た時も、客席からRCを観て感激してさあ、と応えた。
チャボとCharの2人だけのセッションがあったらすげえなあ、と期待してたけれど、最後は全員登場での「つ・き・あ・い・た・い」。
なんと、ライヴ自体は2時間ほどで終わり、その後は待ってましたの映像
「忌野清志郎ダイナミック・ライヴ」。
この後アンコールでまたライヴが再開されるかも、という期待は、映像での「雨上がりの夜空に」と、それに続く「毎日がブランニューデイ」(いずれも「完全復活祭」より)が流れたことによって閉じられた。
そういえば、毎年恒例、タケチュー・竹中直人とタッペイくんたちによる、グッズ販売促進会議のVTR上映もなかったぞ。
タケチューのキヨシローへの愛が垣間見えて、好きだったのになあ。
トータルで、2時間半。
例年に比べ随分と短くなってしまったのは寂しい。
けれど、今年のような趣向は、よかったと思います。
来年はまた違う形式でもいいし、ハウスバンドの形式に戻ってもいい、
弾き語りでもいいし。
帰り際、太田和彦さんを見かけた。
そう、燦然と輝くRCサクセション公式海賊版の、あの太田さんだ。
5人編成になって以降のRCは観なくなったと公言してたので、
とても嬉しかった。
太田さん!どの時代のキヨシローの曲も、素敵でしょ!
太田さんは、近くにいた景子さんに、笑顔で挨拶していた。
初対面のようで、それも嬉しかった。
夜の散歩、
は
ずっと
続いた。
渋谷で夕飯を食って、家に帰って、録画したNHKの「ラストデイズ」という大田光のくだらねえ“キヨシロー分析”の番組を観て、NACK5の坂崎幸之助のキヨシロー特集を聴き、風とロック100号を読み聴き、このまま寝てしまうと5月2日というものが終わっちまう、終わるのが嫌でコーヒーを淹れて、ぼーっとしながら、夜更かしを続け…。
まるで、2009年の今夜に、戻ったようだ。
ああ、やっぱり、5月2日という日は…。
そんな日を、チャボと過ごせて、本当に、よかった。
来年は、コーちゃんや、伸ちゃんも、梅津さんや片山さん、マリちゃんも、
来てくれないかなあ。
以下、RO69より転載です。
「けむり」が抜けていますね。
01 あの娘のレター~ワンダフル・ワールド/トータス松本
02 よそ者/トータス松本
03 Oh! Baby/トータス松本
04 (Sittin’ on) The Dock of the Bay/トータス松本
05 ボスしけてるぜ/仲井戸“CHABO”麗市
06 ぼくとあの娘/仲井戸“CHABO”麗市
07 まぼろし/仲井戸“CHABO”麗市
08 夜の散歩をしないかね/仲井戸“CHABO”麗市
09 あの歌が思い出せない/真心ブラザーズ
10 お墓/真心ブラザーズ
11 わかってもらえるさ/真心ブラザーズ
12 よごれた顔でこんにちは/真心ブラザーズ
13 デイドリーム・ビリーバー/真心ブラザーズ×奥田民生(w/シークレットゲスト・浜崎貴司)
14 シュー/奥田民生
15 スローバラード/奥田民生
16 かくれんぼ/奥田民生×Char
17 S.F./奥田民生×Char w/トータス松本
18 つ・き・あ・い・た・い/(出演者全員)
<忌野清志郎 ダイナミック・ライブ>
20. MIDNIGHT BLUE
21. デイドリーム・ビリーバー
22. 三番目に大事なもの
23. 世界中の人に自慢したいよ
24. 雨あがりの夜空に
25. 毎日がブランニューデイ