第91話 第2章「雲のない夏空に」の巻

3日ぶりに店を開けるとカノジョの居候先?のお客さんがやってきた

 

「おはようさん、店休んでたんだね。いつものできる?」

 

「おはようございます。ハイ ・・・。」

 

それだけいうと、持ち込んだ新聞を開く

 

「お待ちどうさまです、どうぞ」

 

「ああ、ありがとう」

 

・・・。沈黙

 

ボクからカノジョのことを口に出すべきだとは思うが

甘えて言えば、向こうからきっかけ作ってくれないかな…

そんな事を思いながらキッチンに戻る

 

すると、新聞を読みながらトーストを食べ終え

残りのコーヒーを啜りながら携帯電話を取り出す初老の客

 

あ、まだガラケー使ってるんだ

 

なんて思い見ていると電話をかけ出した

 

「ああ、私だがカレのカフェにいるよ、たまにはおまえも来て見なさい。ムスメとワンちゃんも散歩がてら連れてくるといい」そういって電話を切った

 

ショートパンツのポケットにガラケーをしまうと

こちらを見ずにまた新聞を開く

 

「あ、あの~ 今の奥さんですか?」

 

「他に誘うようなガールフレンドはいないよ」そういって微笑む

 

「あの~、ムスメとわんチャンって?」

 

「言わなくても解るだろう」

 

「は、はぁ~」

 

その後は会話もなく沈黙が続く

しばらくすると、地元サーファー達がぞろぞろと入ってきた

 

イッキに来るなよな、忙しいから…

などと思いながら接客をはじめる

 

手を動かしながら頭はカノジョのこと…

 

アイツ来るの? かな…

 

窓の外の空は相変わらず真っ青だ

 

 

2012.08.09