- 2013.12.19:第118話 第5章「パパになる?」の巻
- 2013.06.29:第117話 第4章「ろんどんからの浅草、なう」の巻
- 2013.06.23:第116話 第4章「London Calling? そんなのあったよね?」の巻
- 2013.03.28:第115話 第4章「ノッティングヒルのカノジョ」の巻
- 2013.03.21:第114話 第4章「ロンドンの春はまだ遠い」の巻
- 2013.03.15:第113話 第4章イングリッシュブレックファーストの巻
- 2013.03.07:第112話 第4章「パインツとクリスプス、そしてプール」の巻
- 2013.02.28:第111話 第4章「さよならクリス、そしてこれから」の巻
- 2013.02.07:第110話 第4章「ロンドンの曇り空な朝」の巻
- 2013.01.31:第109話 第3章「カノジョの香りのする部屋」の巻
サブ・コンテンツ
- 2023.03.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:[Radio] walkin’ to the beat everlasting③
第89話 第2章「コンサル、アゲハ」の巻
「おい!そこの哀愁漂う加齢臭予備軍!」
そういって、背後から腕を絡ませてきた
「エッチしてねーんだろ?うんうん、アタシャわかるよ、オマエらバカップルのことはね!てことでケーキ喰うぞ!アタシがおごっちゃるけん」
そういって、腕を組んだまま
ロッポンギアマンドに連れ込まれそうになる
「なあ、ここやめない?なんか、飯でも喰おうよ、多少金ならあるからさ」
「うん?あんだよ、アタシャアマンドがいいんだよアマンドが!いいから入るぞ!」
「・・・。」
結局、アマンド
はじめて入った…
アゲハは勝手にボクの分もオーダーして
細いメンソールの煙草に火をつける
キャバ嬢だけあって、煙草のフィルターにはベットリとルージュの後
「んで?なに?ヤツとまた喧嘩か?」
すっかりまんまとアゲハのペースでボクも口を開く
「まあ、喧嘩って訳じゃないんだけど、別れたいっていったんだよ、アイツに…」
“お待たせしました”
そういって店員がコーヒーとあんまり美味しくなさそうなケーキを持ってくる
もう少し、間を置けよ!なんて思った
「んで、どうなんよ?アイツオマエさんに惚れてるよ?」
「えっ?」
「えっ?とかいってんじゃねーよ、きこえてんてんべ?」
「あ、ああ、まあね」
「オマエ、ホントダセーよな、草食男子か?」
「なんだよそれ…」
「そういうグジグジしてる奴のこというんだよ!ハゲ!」
「はげてねーし、まだ,,,」
「めんどくセーオトコだな、いいか、黙って帰ってこいっていやいいんだよ、つべこべぬかさず、わかる?ドゥユノーワラミーン?ついでに言っとくと、ゴメンとか間違っても言うなよ!オマエいつもゴメンからはじまるからな」
たしかに…
いつも口グセのようにゴメンって言ってる気がする…
美味しくなさそうなケーキをペロリと平らげ
伝票片手に立ち上がる
「いいよ、アタシがここおごる。奴によろしくな。店にはいつでも稼ぎにこいって店長が言ってるって伝えといて!んじゃね♡」
そういって、アゲハはボクのほっぺにキスしてレジへと向かった
そして窓越しに投げキッスをして六本木の闇に消えた
ウインドーに映る自分のほっぺに
べっとりとキスマーク…
まあ、なんとなく、いやじゃない
残されたコーヒーと
一口も口につけてないボクの分の美味しくなさそうなケーキ
コーヒーを一口啜り、ケーキを一口食べてみた
うん、見た目通り、たいして美味くはないな…
素人ながらにアイツが焼いた
シフォンケーキが無性に食べたくなった
スマホで時間を見る pm8:45
まだまだ電車はあるな
そう思った瞬間、
申し訳なくも一口だけ食べたケーキを残し店を出た
お勘定は済んでるし
麻布警察の斜め前のバス停に
ちょうど渋谷行きのバスがハザードランプをつけて停ってる
ボクはすかさず小走りで飛び乗る
渋谷、そっからJRで鎌倉
よし、寄り道して帰ろう
よその家で居候しているカノジョを迎えに…
2012.07.19Column&Essay
