第88話 第2章「成り行きでアマンド!?」の巻

せっかく久しぶりにトーキョー来たのに

なんだかやることが思いつかない

 

昔の会社に顔出せば誰かしらいるだろうけど、行きたくないし

トモダチもあれやこれやと近況を話すのも面倒だし

BARで未遂に終わったアノコに今さら連絡とるのもな…

 

あ、そうだアゲハ…

 

今何時だ?まだ7時か

ちょうど出勤前だな

 

ふとそう思い電話をしてみた

 

「ン?ナニどしたん?めづらしいじゃんアータが電話してくんの?またケンカでもしたんか?」

 

どうにもコイツ、アゲハとカノジョは、所謂親友だけあって

まったくといっていい程、同じ話し方をする…

 

「まあ、そんなとこだよ。いま、目黒にいてさ、今日も店出るんだろ?」

 

「あったりまえじゃん!遅刻するだけでも罰金とられんだよ!アンタたちリーマンと違って厳しいんだよ~!って、アータもうリーマンやめたんだっけ、ギャハハ」

 

ギャハハって、なにが楽しいんだよ…

まっいいけどね…

 

「店何時から?」

 

「9時だけど、マジどしたん?ドーハンでもするか?寿司とは言わずにバーキンでもいいぞ」

 

「なんで、俺がオマエと同伴しなきゃならないんだよ!」

 

「ウソだよ、いいよ、アンタンとこには酔っ払って泊めてもらって借りがあるから。ロッポンギまでおいでよ、それなら9時ギリギリまで話できるじゃん、なんかそうだんあんだろぉ~?」

 

「いや、相談って、訳じゃないんだけど。ヒマでさ…」

 

「んじゃ、どこで待ち合わせる?アマンドにすっかアマンド!ギャハハ」

 

「・・・。いいよどこでも」

 

「んじゃ、アマンド決定~」

 

「マジ?」

 

「マジ」

 

「まあ、いいやこれから向かうから30分位で行くわ」

 

「じゃね~し~ゆ~」 ブツッ…

って、なんかいきなり切るなよ

 

アゲハと会ってなに話そう?

いまさら、アイツに恋愛相談してもしょうがないし、

ボク以上にアイツはアイツのことを理解してるし

ある意味、、同性と異性の違いってヤツだけどね

 

真っ暗になる手前の空を見上げながら

ボクは歩いて中目黒に向かい

そこから日比谷線に乗った

 

恵比寿、広尾、六本木

 

電話してから読み通りちょうど30分、アマンド到着

 

ていうか、生まれてはじめて入るな

しかもなんか、改装した?

でも、独特のダササは拭いきれないな

 

ていうか、入りづらい…

 

外でアゲハが来るのを待つか?

 

ていうか、なにやってんだろう、オレ…

2012.07.12