第七十夜 :「ニッポンゼンコクユキマミレカマクラブ」

雪・・・雪・・・雪・・・雪・・・雪・・・
雪かきはもう飽き申したよ・・・
今年はどんだけ降るんでしょうか?
日本全国が豪雪のようです。雪かきでの事故もあるそうです。
皆さん、本当にお気をつけ下さい。
 
 
さて、こちらも雪はアホほど降っているのに、
お客様はここのところ少ないため、
生涯の仕事のように毎日雪かきばかりしている気もします。
しかし不毛です。雪かきしてもお金は生まれませんから・・・。
 
 
 

あまりに不毛なんで、先日中庭にかまくらを作ってみました。
大半の従業員が正面の庭や老朽化激しい旧館の屋根やらの
雪下ろしをしている時に、ワタシだけはこっそりと中庭に逃げ、
一人でかまくらをせこせこと作っておりました。
集めた雪をバンバン叩いて固めて、掘り進めるワタシ。
へへへ…これくらいの楽しみ、若女将にはあってもいいじゃまいか…
などと思いながら掘っていたワタシ。
多分、ほくそ笑んだ悪い顔をして作っていたことでしょう。
 
 
完成したかまくらはかなり大きなものになりました。3mくらい?
なんということでしょう!
匠の手によりしっかりと固められた上質の材料(※雪)のかまくらは、
かなり掘り込まれた居住スペースなのに、全くビクともしないほどの
強度と広さを誇り、大柄な大人でも快適に暮らせるだけでなく、
リラックスと団欒を演出する素晴らしい居住空間となりました!
 
 
よーし!今日はここで酒を飲む!ここで寝る!ここで暮らす!
 
 
そう思い、ビニールシート、敷物、照明、コタツなどを用意すべく、
ワタシは館内に戻りました。多分、ほぼスキップ状態だったと思います。
しかし小さなコタツが何処に行ったのか分からず、小一時間ほど
探し回りましたが見つかりませんでした。
仕方ないから後で大女将にでも聞いてみるかと思い、
中庭に戻ってみると・・・それは衝撃の惨状でした・・・
 
 
従業員の男ども数人が中庭の雪かきをしているではありませんか!
そしてかまくらは・・・もうどこにもありませんでした・・・。
崩されて、ただの雪の小山になっていました・・・。
その後、ワタシが半泣きで何を喚いたかはあまり覚えていません。
通りかかったヨシ子さん曰く、
 
「鬼!」「この人でなし!」「ワタシの三時間を返せ!」
 
とか叫んでたそうな。
そんな幼さしかない、冬の若女将でございます。
雪がボッボと降りつづけてるのに「かまくら」など正気じゃない!
と思われる土地柄なのですが、東京で育った者のかまくら信奉は
田園調布に家を建てる事より、ずっとずっと大きな物なのです!多分!
今度は息子と作ります。
みんな、今度は正面庭園に作ればいいじゃない、とヌカしやがるから。
ああ、作ってやりますとも。 タワー型マンション級のをね・・・。
 
 
 
 
あ、ワタシのかまくら壊した従業員の奴らは許さないです。
減給してやりたいと本気で思ってます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2012.02.01