「山田洋次監督50周年記念展」へ、行く。前編

取材/文/撮影・鎌田浩宮

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皆で同じ映画を観て、感想を書き合うこのコーナー
「映画おとーり」であるが、
この度、東京は池袋西武デパート内にて、
僕らの山田洋次監督が、自身の全80作品を、自ら
「おとーり」してくれる!
というので、行ってきた!
浪!行かせてくれて、ありがとね。

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山田洋次監督50周年記念展  半世紀を映画から振り返る
https://www2.seibu.jp/wsc/010/N000046193/1533/info_d_pv
2012年1月6日(金)~15日(日)
西武池袋本店別館2階=西武ギャラリー にて
入場料:一般・大学生:400円、高校生以下無料

.

しかもなんと今回は、
山田監督自ら監修した、ここだけでの限定上映
「寅さんあなたは誰なの?」(全席指定75席・1日5回上映・約30分)
が、別途300円で観られるというので、
早めに行って展覧会と上映会の2種チケットを購入、
いい席を確保してから近くでひるめしを食べ、
地方に住み、こちらに来られないエプスタ山田ファンの分まで
記念展を堪能したのでありました。

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ちなみに、
特別上映会の入場料収益は、
東日本大震災の義援金として被災者に送るとのこと。

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おお、
入り口には倍賞千恵子さんからのお花も。

入場して、驚いた。
最初の展示物は、山田作品でも、渥美清さんら出演者でもなく、
東北大震災の写真たちだった。

山田監督という人は、そういうところがある。
葛飾柴又にある寅さん記念館でも
入場してすぐに展示されているのは
撮影・照明・美術・メイク・衣装・小道具大道具などの
スタッフがどんな仕事をしているかの説明なのだった。

真っ先に、自分よりも、紹介したいもの。

こういうところだ。
山田監督を愛してやまなくなってしまうのは。

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館内の説明は続く。
震災後のこの国と人々を描くことを抜きにはできないと、
押さえていたスタッフ・キャストの経済的な負担もかえりみず、
震災前に準備していた新作の撮影を延期し
あらためて脚本作りからやり直したこと。

陸前高田市のある人が、
被災前に何度も観て感動した
「幸福の黄色いハンカチ」を思い出し
がれきの中に黄色いハンカチの木柱を建てたこと。

それを報道で知った山田監督が、
その人の住所を調べ、
お礼の葉書を書いて送ったこと。

そして監督が、直にその人に会いに行ったこと。
そこで監督は、自分の黄色いハンカチを渡したこと。
「でも、本当の黄色いハンカチは、貴方の建てたものです」
と言ったこと。

もう、これだけで、
この記念展を観に行った甲斐があった。

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山田監督からのハンカチの写真です。
「希望よ 永遠に」
と、書いてあるのです…。

この記事、つづく…。


2012.01.16