第43話「ジャイアンリサイタルで復活!?の巻」

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「ただいまー、あれ? いない? なあ、クリスあのネーチャンはどこいった?」

pm9:00

アヘアヘと、舌を出しながらエサをせびるクリス

てことは、夜のエサをあげずに出て行ったってことか?

クリスのエサの準備をしながら携帯にメールしてみる

“どこ?”

それから、一時間、電話もメールもない

まさか、いきなりまた沖縄にでも行ったか?

まさかね…

でもヤツの場合あり得なくもないから恐ろしい

とりあえず汗でベトベトしたからだが気持ち悪いのでシャワーを浴びる

夕飯はパスタを茹で自炊をする事に、

カノジョの分はいつ帰ってくるかわからないからいいやね

そうつぶやきながら冷蔵庫を漁る

キャベツとアンチョビの缶詰があるからそれでいいや

とりあえずひとりで夕飯を済ませ、iPhoneでツイッターを弄る

気がつけば午前零時を少し回っていた

昨日まで一歩も外に出ようとしなかったカノジョは何処へ?

「まったく、相変わらず連絡ひとつしてきやしない。結局なんもかわらないな」

そうひとりぶつぶついいながら、早めにベッドに入ることに

ここのところの暑さで疲れていたのか、いつの間にか寝入ってしまったようだ

んで、目が覚めたのは、カノジョが帰ってきた時だった

am5:00 玄関口から歌が聞こえる

「かええーってきたぞぉーーーおさん、ぞぉーーーおさん、おーーはながあかいのね♪」

げ、でた、ひさびさの酔っぱらい?

ベッドを出て、目をこすりながら玄関口まで行ってみると

そこには見慣れた光景が…

「アンタなにしてんの?しかもその格好?」

そう、カノジョは、いわゆる戦闘服に身を包み(多分シャネルかなんか)

ロールにしたヘアスタイルに、濃いめの化粧、指の爪はデコレーションバリバリ

そして、何よりパフュームと酒の入り交じったあの臭い!

「もしかしてキャバクラ?」

「ぞぉーーーおさん、ぞぉーーーおさん、おーーはながあかいのね♪ うえ、みずくでー」

「ったく!」そう吐き捨てながらキッチンからペットボトルの水を持ってきた

「ぞぉーーーおさん、おーーはなが—- うー、ギモジワルイー アタシャネル」

・・・。どーでもいいや、ほっとこ

「かってにしな、おれもう少しねるから」

そういってカノジョを放置してベッドに戻る

カノジョはというと、ひたすらウルトラマンのテーマソングから

いつのまにかゾウさんのフレーズに変わる曲をループさせている

まるで、ドラえもんのジャイアンリサイタルだ

多分、十中八九キャバクラ勤めに戻ったな…

なぜか、少し安心した様な、心配の様な複雑な心境の中、

睡魔に勝てずに2度目の眠りについた

ジャイアンリサイタルをBGMに…

続く

2011.07.08