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浪日記⑦ 撮影・庫田久露武/文・鎌田浩宮
浪は、今度の6月で、17歳になるね。
浪と出会ったのは1994年の7月16日。
悪友、正に悪友ばっかり十数人で、友達の別荘がある、千葉の外房、浪花(なみはな)という海沿いの村に行ったんだ。
無人駅のまん前に、君は寂しそうにぽつんと佇んでいたんだよ。
両手に収まりそうなくらい小さかった、生後1ヶ月くらい。
そんな赤ちゃん猫がこんな所にいるのは不自然だ、親とはぐれたのかな、捨てられたのかな、そんな話をしているうちに、1人が別荘まで連れて帰ってきちゃった。
連れて帰ってきたって、皆酒を呑んでどんちゃん騒ぎをすることしか頭にないから、誰も君の面倒なんか見ない。
でも、なみはなで拾ったから、こいつはなみって名前にしよう、なみ!なみ!って、皆勝手に呼び始めた。
オスかメスかも分からなかったのにね。
そのうち君は嘔吐したりして、この子は死んじゃうのかな、と思ってたんだよ。
そして、皆は星を見に夜の散歩に出かけちゃったんだけど、僕は君が心配で、体温を温めようと、ずっとだっこしながら留守番してたんだ。
酔いが冷めて、誰も君を飼えないと言い出して、しまいにゃ知り合いに飼ってもらえるか聞いてみよう、なんて皆言い出して。
僕は、君が第三者、全く知らない人の所に行くのが、とっても嫌だったんだ。
その人がきちんとちゃんと飼ってくれるのか、もう分からなくなるんだからね。
その時、僕は、君を飼うことを決心したんだよ。
君が僕の所に来てくれて、本当によかった。
こんなに素敵なことになるとは、思ってもなかったんだよ。
2011.04.08Column&Essay
