浪日記⑧　　撮影・庫田久露武／文・鎌田浩宮

一眼レフカメラで撮影しましたので、ぜひ、写真をクリックしてみて下さい。より大きく鮮明な画像でご覧になれます。

浪、今、僕の膝の上で寝てます。

さ、前回からの続きを書くよ。

そうして東京の僕の家に連れてきて。

その時はまだ母と同居していたから、ペット嫌いの母を説得するのに、どれだけ大変だったか。

今では、母も浪くんのこと、大好きなのにね。

僕は猫も含めて、動物を飼うのが初めてだったので、何をどうしたらいいか分からなくてね。

栄養をつけてもらおうと、卵と肉と魚でご飯を作ったんだけど、キャットフードというのが売っていて、そちらの方が栄養のバランスがいいこと。

家中に新聞紙を敷いて―うちは広大なゴウテイなので、何十枚も敷いたんだよ―君が、いつどこでおしっこをしてもいいようにしたんだけど、猫が入るくらいの大きさの箱の中に、砂を敷き詰めれば済むって聞いて。

公園から砂を拾ってきて、熱湯で洗って、日向に干して、そんな砂を毎日洗っては、数ヶ月もトイレに使っていたね。

それは不衛生で、使い捨てのトイレの砂がペット屋に売っていることを知って、仰天したこと。

それからというものの、暇があれば図書館に行って、猫の育て方の本を十数冊借りてきて、片っ端から、読んで。

寝る時は君を抱きながら、畑正憲の｢動物の育て方｣というカセットテープを聞きながら床に就いたんだよ。

6月に君を拾ったから、すぐに季節は夏になって、今ほどではないけど、16年前も、暑かったからね。

1つ向こうの駅の、池尻に勤めていた僕は、昼休みになると、自転車で猛スピードで帰宅して、君の餌や、トイレの世話をして、部屋を涼しくして、僕自身の餌は10分で食べてしまって、慌てて会社に戻る。

そんな夏の数ヶ月。

浪は赤ちゃんの頃、なかなか鳴かない子だったからね、今、居心地がいいのか不快なのか、全然分からなくってね。

でも、だんだん大きくなる浪の体重を量るのが、とても楽しかったんだよ。

2011.04.15

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