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続々々々々・オシゴトキャマダ。
文・鎌田浩宮
まだまだ
続くぜ、
爺婆との
出会い。
初老キャマダにゃ、
奴等を
惹き寄せる
何かが
あんのか。
浜松町には立ち食い蕎麦屋が多い。その中で気になる店が町のはずれにある。前回のマクドナルド大門店からは、歩いて10分ほどだ。しかしそこは、極北の世界が広がっていたのだ。
六文銭そば金杉橋店。看板に「揚げたて」とある。立ち食いなのにそうなのか。どれを食おうか、迷うかも。楽しみだ。
中へ入る。ある意味、活気がある。厨房には2人の爺と1人の婆がおり、喧嘩をしておるのだ。
喧嘩と言っても70代のそれだ。殴るでも口角泡を飛ばすわけでもなく、1人の爺は断続的に「ごめんなさいすいません失礼します」と言い続けている。もう1人の爺が収めようとして、そんな謝り方は困ると婆が嘆き続ける。
まだ13時を回っていないが、揚げ物はもうないと客に断る爺。ひるめしだと言うのにかけそばを食う羽目になる客達。俺は大好物のカレーうどんを頼んだが、カレーはボンカレーか何かのレトルトだ。
食い終わりご馳走様と言っても、3人は喧嘩の最中なので返す言葉はない。これに異論はない。70代の人へ同時に2つの事をしろというのがおかしいのだ。ご馳走様に応えるのなら、喧嘩を止めねばならない。だが3人は今喧嘩に集中しているのだ。
3人の話を聞くと、どうも婆がお釣りをよく間違えるので、断続爺が怒ったらしい。もう1人の爺が「あの客、500円玉1枚出せばいいのに、100円玉5枚出すから悪いんだよ」と婆を慰めている。
マクドナルド大門店の婆とは、大違いだ。モウロクの、極北。
しかし俺はこの状況に辟易しない。機械のように無言で傍を茹で続ける巨大チェーン店の店員よりも、人間らしい。
つづく…
2017.12.20<< 続々々々・オシゴトキャマダ。 弐千拾八年乃御挨拶似候 >>