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- 2023.02.19:walkin’ to the beat everlasting③
- 2023.02.12:walkin’ to the beat everlasting②
- 2023.02.11:walkin’ to the beat everlasting①
- 2022.04.28:平和は、この曲であろう。30日目 World Citizen
- 2022.04.23:平和は、この曲であろう。29日目 スマイル
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god save the TO$H
DJ・鎌田浩宮
toshio nakanishi
1956-1-13 ~ 2017-2-25
1980年頃、僕が中学1年生くらいの頃だったろうか?
YMOを追いかけて、ヒカシューへ行き、プラスチックスに辿り着いた。
赤貧家庭の僕の当時の小遣いは1ヶ月700円しかなかった。
貸しレコード屋で「welcome back plastics」の中古品を買って、弟のPacoと聴きまくっていた。
世田谷区の図書館へ行くと、プラスチックスのカセットテープが借りられる時代だった。
プラスチックスの「copy」はAMラジオでも何かのジングルに使われたりしていた。
それだけキャッチ―で、テクノポップを知らない人々の耳障りもよかったのだ。
Plastics – Good [Fighting80’s Live 1980]
from the album “ORIGATO PLASTICO” (1980)
プラスチックスだけで書き出すと1ページ埋まってしまうのだが、今は涙が出てしまうので止めておく。
今、トシが久々に佐久間さんと逢って、懐かしい話に花を咲かせている最中なのだ。
Plastics – Top Secret Man
from the album “WELCOME PLASTICS” (1980)
メロン。
ウォーター・メロン。
メロンの立ち上げはとても華々しく、早速CMソングに起用され、トシも確か出演してなかったっけ?
最初の頃のメロンは、プラスチックスのニューウェーヴをさらにソフィスティケートした形で、演奏力もアップ。
お洒落。
格好いい。
Melon - Do You Like Japan?
from the album “DO YOU LIKE JAPAN?”(1982)
行きたかったなあ、ピテカン。
赤貧の中学生が行ける訳もなく、月刊宝島を読んで、そこで何が起こっているかを後追いするしかなかった。
しかしヒップホップの台頭により、メロンは路線変更をする。
屋敷豪太と工藤昌之が加入し、映画「トロン」のように蛍光色のラインを顔に刻み、映画「マッドマックス」のようにアメリカンフットボールのショルダーパットを身にまとい、近未来のコンセプトを打ち出し、サンプリングやスクラッチ、ヒップホップとエレクトロニクスの融合を目指して行く。
当時、テクノポップは終焉を迎え、盟友の立花ハジメも、そして坂本龍一や細野晴臣も、皆ポスト・テクノポップを模索していた時期だった。
その誰もが僕にとっては眩しく、メロンの攻撃性は勇気を与えてくれた。
MELON -SERIOUS JAPANESE
from 12inch EP “SERIOUS JAPANESE”(1985)
一方のウォーター・メロン、最初の頃は面白くなかったんだけど、10年以上かけてどんどん面白くなっていく。
90年代に入り、アンビエントが進化していき、それまでブライアン・イーノのようなものしかなかったのだが、そこにリズムを入れてみたり、何でもぶちこんで遊べる広場のようになっていったからだ。
Melon – Quiet Village ’92 Mix
from the album “Deep Cut Remix”(1992)
Water Melon – Moon Shaker
from the album “Out Of Body Experience”(1997)
そしてトシのすごいところは、自分のキャリアをあっさりと捨て、どっぷりとヒップホップへ没入していくところだ。
この頃トシは中西俊夫ではなく、Tycoon To$h & Terminator Troopsというごりごりなブラザーネームで闊歩していた。
そのように様々なジャンルを軽々と横断してしまうところが彼のすごさだった。
この頃大学生だった僕はもろに影響を受けた。
トシの音楽がかかるAMだったかFMだったか、ラジオにかぶりついていた。
このようにバシバシとサンプリングをぶち込んだレアグルーヴに、当時出てきたレッチリのようなJBにルーツを得たギターとベースを取り入れ、さらには僕のルーツであるエレクトロニクスの音色も織り交ぜたバンドを始めていた。
ACTION
TYCOON TO$H & TERMINATOR TROOPS
from 12inch EP “Get Happy! / Action / Rock The Party” (1988)
さらにはLOVE T.K.O.か。
もうこの頃になるとアルバムのリリース量も多すぎて、追いかけきれなくなってくる。
自分が積み重ねてきたキャリアを脱ぎ捨てるのは、難しい。
プライドが邪魔をするからだ。
単なる新し物好きかと揶揄されても、突き進んでいく。
Love T.K.O. Stay (The Eagle’s Eye)
from the album “Headturner”(1994)
数ある彼の曲の中から、本当に好きな曲を紹介するのは楽しいが、それがこんな時になるとは、なんと悲しいことだろう。
Typhoon Tosh- Round & Round Medly Sound Sculptures No.2
from the album “Fish Smell Like Cat” (1997)
2011年9月19日
脱原発集会『NO NUKES ! ALL ST☆R DEMO 2011』Children of the Radiation/中西俊夫 PANTA 久保田麻琴 MIYAVI
今振り返ると、2016年のブルーノート東京で行われたプラスチックスの結成40周年ライヴ、何が何でも行っておいてよかった。
客席の一部は80年代のファッションに身を包んだ、とても下世話に言えば平野ノラのような女性が陣取り、会場は原宿シネマクラブ化していた。
トシ、元気だった。
最初、トシとハジメだけで登場してギターとヴォーカルとリズムボックスだけで演奏し出した時は、あまりの下手くそさに笑いが止まらなかった。
40年経ってもストーンズとプラスチックスは、演奏ヘタでいい。
島さんとトシの娘さんとN’夙川BOYSのリンダが出てきて、ようやくサウンドが締まっていったのだった。
僕は時折ブルーノートに似つかわしくない叫び声をあげた。
あの赤貧中学生だった僕が観た最初のプラスチックスのライヴはワールドハピネスで、これが最後のライヴとなってしまった。
PLASTICS 2016 0111 HBC
最後は、この2曲で。
さようなら、トシ。
またね、トシ。
MELON-honey dew
from the album “DO YOU LIKE JAPAN?”(1982)
Plastics – Top Secret Man(pv)
from the album “WELCOME PLASTICS” (1980)
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