Cao no Cafeトリビュート小説 「天と地の彼方へ」 第2話

連載1の1猫のナミは96歳。音楽家で婚活評論活動もしているシゲル(41)と東京のマンション暮らし。そこへマリの連れ子として犬のクリスがやって北。奇妙でおもろい4人の暮らしがはじまって半年が過ぎた。人生は選ばれなかった選択肢で出来ている「ねえクリス、お前さん群馬行ったんだって」続く

 (編集部注:シゲルは鎌田浩宮の旧父(キューパパ)、鎌田重昭がモデルと思われる。マリは鎌田浩宮の母、石井はじめがモデルと思われる。
当時重昭は無駄にニヒルなところが天知茂に激似であり、当時のはじめも天地真理のそっくりコンテストに自ら応募したほどの極似であり、浩宮の古い友人は「ダブルアマチ」と呼び、この両親を畏怖していた。
実際の重昭は41歳の時愛人と同棲を始め、はじめと1回目の離婚をし、1年が経った頃である。)

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連載1の2「ねえ、クリスお前さん群馬行っ単だって」「うん、とっても楽しかった♪運転手はナミさんの亭主で車掌は母さんだー♪ってね」「そうかい、あたしゃねクリス、亭主が20年前この扇風機を買った日殻この家に居るだ県ど、すずらん通りだって連れてってもらってないんだよー」「ふうん」続く

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連載1の3「それにさあ、クリス、お前さんよく亭主の小説に出てるじゃないかあ」「そーなんだけど、あたしセルフないのよ・・」「だからクリス、あたしもその小説に出たいんだよ、自動車でどっか連れてってもらいたいのさあ、ニューヨークだなんて贅沢言わないよ江ノ島だっていいんだよーあたしゃ」

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連載1-4ナゼ群馬?ナゼスズラン通りなのか?謎を解く手がかりさえ与えられないままwe are heading into homestretch これはミステリーなのか、それとも大河ドラマかか。人生は無駄なミステリー?早くもマリとシゲルの物語最終章へ「お帰りシゲル」麒麟端麗なマリ

 (編集部注:スズラン通りとは、鎌田浩宮が常時呑んだくれている三軒茶屋の呑み屋街である。何故奄美大島の作者が三軒茶屋の地理に詳しいのか?)

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連載1-5「お帰り、シゲル」「なんだマリ待っていたのか」「ビールにする?それともお風呂になさいますか?うふっ」「なさいますかってオマエ何難題マリ」「ご免なさい、あたし一度言ってみたかったのヨ」

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連載1-6「もうテニスコートで待っていた時代じゃないんだどマリ、俺のゲッキューいくらか知ってるんだろ、なさいますかって柄じゃないっちょ、世のなか、光陰矢のごとしってなあ、、マリ、大きくかわっちまてんだド、わかってるやろ、おハマ」「おハマって、シゲルそれ春団治やって」つづく

(編集部注:鎌田浩宮の母の本名は石井元(はじめ)であるが、彼女が夫・重昭の甲斐性無しのせいで、夜、水商売勤めをしていた時の源氏名が「マリ」である。残念ながらリリーではない。)

 

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連載1-7自転車漕ぎ帰ってきたシゲルであったが、猫のナミに訊きたいことがあった。「ナミお前最近俺の反省、あ半生を誰かにしゃべったろ~、ド~難題」「シゲル、そんなに眉間にシワよせなくたって」「いいんだマリ俺のニヒルは元々無駄難だ」とそこへ「おじさん、ナミは話せないのよ」と犬のクリス

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連載1-8「なんだいクリス、おじさんって俺のことかい?」「そうだよ、他に誰がいるっていうのサ~おじさん」「お、俺は・・・」「あなた、さくらさんに、お兄ちゃん自分の歳考えたことあるの?って言われてもう十何年もたっているのよ」「クリス、お前マリ母そっくりだなあ」完

2011.03.09