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港の人 社歌
港の人 社歌
作曲作詞・鎌田浩宮
10年経てば終わる恋もある
10年経てば恋人も変わっちまう
10年変わらないのはすごい事
だから おめでとう港の人
めでたいぜ 港の人
あともう10年 もうあと100年
10年経てば憲法も変わっちまう
10年経てば軍隊に変わっちまう
でも彼らの作った本はなくならない
だから おめでとう港の人
めでたいぜ 港の人
あともう10年 もうあと100年
10年経って今日が笑える日
離れ離れ今日が再会の日
それぞれの人生今日が再会の日
全ての山を登れ
さらなる海へ
さらなる海へ
ここに変わらぬ友がいる
そして作った本もずっと残る
今日はおめでとう港の人
今日はおめでとう港の人
学生時代の映画制作仲間が、出版社に就職した。
そこで出会った仲間たった3人で独立し、希望に燃え、鎌倉に「港の人」という出版社を創業した。
港の人というのは詩人・北村太郎の著書のタイトルだ。
3人で良質の詩集を発行し、時には会社に寝泊まりししながら頑張っていたが、インターネット普及による書籍売上激減やら、リーマンショックやらなんやかやで、会社経営がままならなくなり、涙を互いに流しながら、体を切り刻む思いで2人が退職した。
残った社長はアルバイトを1人だけ雇い、孤独の闘い、懸命に経営を立て直した。
本のいくつかは賞を受賞するまでに至り、新聞などの取材も増えた。
そして何とか10周年を迎え、そのお祝いに僕も招かれた。
三軒茶屋から電車に揺られていると、メロディーと歌詞が浮かんできて、どうしようもなくなった。
鎌倉駅で降りて、僕は楽器屋を探した。
鎌倉は観光地だ。
楽器屋なんてあるわけがない。
やっとの思いで見つけ、数万円はたいてギターを買ってしまった。
道の端っこでギターを奏で完成させたのが、この社歌だ。
別れ別れになった3人と、彼らを慕ってやってきた仲間達の前で、この曲を歌った。
港の人は来年で創業20周年を迎える。
それにしてもだ、10年前に創った曲なのに、どうしてこれほどに未来を言い当ててしまったんだろう。
憲法が、変わる。
自衛隊が、軍隊になる。
本当にこの国は恐ろしい。
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