第21話「iPhoneで通販の巻 〜前編〜」

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犬のクリスを従え、イームズソファーにあぐらをかいて座り

派手なデコレーションを施したiPhoneを弄りながら

なにやら、さっきからブツブツと呟くボクのカノジョ

「う〜ん、これ可愛いカモね〜、いやこれも捨てがたいの〜」云々…

「クリス君、君はどれがいいかね?」

iPhoneを一応眺める仕草をみせる従順な飼い犬のクリス

どうせ、また通販サイトで、服かバッグでも探しているのだろう

「あっ、これチョーカワイイ、これにしよっかな」

チョーカワイイ?蝶のプリント柄のワンピースでも買うのか?

それじゃあ、どこぞのスナックのオバハンだ

「そこのオネーさん、今度は何を買うんです?」

「ンガ?」

口をだらしなく半開きにしてから、ニヤッと笑いボクを見つめる

そう、病み上がりだからということではないが、

なんだか一瞬、悪寒が走る

嫌な予感というか、どうせロクでもない答えが予想される

「キミキミ、見たまえこれを」

手招きをしてiPhoneを突き出すカノジョ

「なになに?またお得意のエルメスさんですか?それともシャネルさん?」

近づいて、何とも派手なiPhoneを受け取り画面を見ると

そこに映っていたのは…

「可愛いって、アナタコレ?」

「そうだよ、どー思うかね?キミは」

・・・

画面に映っていたのは、ヤフーの中古車情報サイトの

フォルクスワーゲン カルマンギア

ターコイズブルーのコンバーチブルお値段118万円

「どう思うかって、可愛いと思うけどこれがなにか?」

「ホ・シ・イ♥」

「はぁ〜?」

「ネェネェ〜、かおーよ、コレ!」

「買うったって、アータ、免許も持ってないじゃん!」

「だって、キミもってるからいいぢゃん」

「ネ?かお〜」

「・・・」

言い出したらきかないのがカノジョの性格とわかっているが

車をいつもの衝動買い?

しかも、中古っていうか、1965年モデル?

仮に買ったとしても、車検は?駐車場はどうすんの?

保険だってかかるんだよ?

といったところで、現実というか、

細かいことは何も気にしない性格のカノジョ

有言実行!

善くも悪くも言い出したら何がなんでもな強情ムスメ

果たしてどうする?というかどうなる?

続きは次週…

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2011.02.03