第16話「いつものメリークリスマスの巻」

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街に流れるクリスマスキャロル

そんな、人々の心が優しくなれる日…

12/25 クリスマスのAM5:00

真っ赤なお鼻のカノジョが豪快に帰宅する

「め〜り〜くり〜すます!ヒャッホー!イエーイ!」

何やらマンションの玄関前で騒いでいる…

そして、何やらシャンパンをぬいている…

そして、一人でひたすらしゃべって、唄っている…

通報される!

以前も大酔っぱらいして、玄関先で“一人宴会”をはじめ

近所に通報された経験がある

そんなこんなで、通報される前に保護することに

まったく、クソ眠いってぇのにさ!

玄関を開けようとするにも開かない

多分カノジョがドアの前に座り込んでいるのだろう

「ちょっと、ちょっと、静かにしろよ!どけよ!ドア開かねーよ!」

「まっかなおべべのぉ〜きゃばくらじょお〜わぁ〜♪てか」

「てか、じゃねーよどけよ!」

「静かにしねーとまた警察来るぞ!いい加減にしろよ、もう!」

「まっかなおはなのぉ〜おまわりさんわぁ〜♪てか」

こいつ、いつかぶっ殺す!

その気はもちろんないが、こういうときに殺意って生まれるんだと知った

「とにかく、そこどけよ」

力づくでドアを押す

ヅヅヅーとカノジョと宴会セットごと強引にどかし

ようやく外に出てみたら、なんじゃこりゃ?

ヴィトンのバックの中に、まるごとチキン!?

おまえのヴィトンのバックはケンタのパーティーバーレルか?

シャンパンラッパ飲みーの、洋服べちょべちょーの…

コートのポケットには、ケーキまでグチャっと入ってる…

お前は下手なマジシャンか?

とにかく酷い有様

“醜態をさらす”とはこのことだと、改めて知る

殺意の芽生え方、醜態のさらし方、ある意味いい経験だよ

「おむかえごくろー!」敬礼をするカノジョ

「ほうびにチューしてやる!」抱きついてくるカノジョ

酒クセー、キタネー!しかも部屋着が汚れた…

とりあえず玄関の中に引きづり込み、そのまま放置

あーあ、今日はオフだから、着替えてもうひと寝入りしよう

カノジョどうするかって?

そのまま放置でしょ!

そりゃ、付き合いはじめの頃は、介抱しましたけどね

いまじゃ放置ですよ、放置!それでいいんです

キャバクラ嬢のカレシとしては、当然のことなんです!

夢あるクリスマス?

もちろん、そんなものは期待なんかしてませんよ!期待なんかね…

メールの文面だったら最後に(泣)で終わりますけど…

xchicken-m

2010.12.25