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渥美清こもろ寅さん会館にて「男はつらいよ・寅次郎相合い傘」35㎜フィルム上映
文・鎌田浩宮
動画撮影・清水薫
写真・大島智子/竹原Tom努/鎌田浩宮
予言が、
当たったのだ。
去年2014年9月、僕は1週間小諸の民宿・青雲館に宿泊していた。
宿の畑で採れた野菜、飼っている牛から絞った牛乳、女将さんが作った味噌、信州ハムの美味しいお肉、そして新しくできた手作りの露天五右衛門風呂からの眺めは最高で、僕は毎日頭がおかしくなりそうなほど幸せだった。
夕食は宿のおじさんと差しつ差されつ酒を酌み交わす。
そしてある晩酌で、そのおじさんは言ったのだ。
「おらな、時々歯が抜ける夢を見るだよ。そうすっとな、次の日親戚が死んだって連絡が来るだよ」
すなわち、かなりの霊感の持ち主だという事だった。
まさかなのだが、おじさんの前歯は抜けていた。
夢だけではなく、実生活でも歯は抜けていたのだ。
「おらな、美輪明宏はすげえなあとは思うけどな、おらはああいう風にはなりたくないだよ」
同じ霊感の持ち主でも、それを商売にするのはいかがなものか、と言いたいのであった。
すごい人と自分を比較するものだ。
「おらな、人の未来が見えるだよ」
遂に来たか。
ただのほら吹き爺か聖人か、僕は試した。
「僕の未来はどうですか?」
少し考えて、おじさんは答えた。
「来年な、新聞に載るくらい有名になるよ。ただ、脇役として活躍するようだ」
その頃小諸市は、渥美清こもろ寅さん会館に関しては全く動きを見せていなかった。
そして、今年。
急転直下、会館の管理運営権が僕らココトラに譲渡され、地方紙だけではなく全国紙にまでその件が掲載された。
そして、ココトラの代表・轟屋いっちーこと一井正樹は頻繁に取材を受け、広報部長兼東京支部長の僕は、脇役として忙しく動き回る日々だ。
そう、歯抜けおじさんの予言は、全て当たったのだ。
僕の驚き、歯が抜けるほど。
ただ、おじさんにお礼を言うのは、まだ早い。
おじさんはもう1つの予言を下していたのだった。
「鎌田さんな、来年結婚するかも知れねえぞ」
これに関しては今のところ、1ミクロンも気配が来ていないのだから。
さあ、今日も大入満員目指して、玉のような汗をかきながら、
会場設営開始だ。ちなみに館内は、我々が100席設置する。
小諸
は今、
あじさい
が
満開。
年輩の方が多い館内。しかし、こんなに若いアベック(死語?)のお客さんも。前回も来てくれたんですよ。前回たまたま懐古園にあった、本日上映の立て看板を見てフラッと観に来てくれ、今回もちゃんと足を運んでくれ!
しかも帰りには次回の前売り券まで買ってくれたのです。嬉しかった!
若い人に来てもらえるかどうかが、寅さん会館再オープンに当たって集客拡大の大きな鍵となります。皆、来てね!
本編上映前に上映される、協賛者一覧のCM。CMだなんて、本物の映画館のようでしょ?ただこの日は、プロジェクターの故障で上映できませんでした。お詫びを込めてこの場で披露します。
館内後方に設置された売店では、小諸で1番人気のカフェのブレンドコーヒー、1番人気のドーナツ屋、パン屋から仕入れた物が売られています。
七夕近し。会場内に設置された「おもてなしコーナー」では、
冷たいお茶や置かれており、無料でふるまわれています。
おい…
ありゃあ
リリー
じゃないか?
上映前のお楽しみコーナーは、なんと、リリーと寅による実演。実演のある映画館だなんて、昭和30年代のようだ。寅役はこのイヴェントの常連、芸人・野口寅次郎さん。リリー役は初登場、絵川ゆうこさん。某事務所所属のれっきとしたプロの歌手。たまに野口さんと組んで『寅さんとリリーのバラエティーショー』と銘打って歌やコントを披露しているようです!ゆうこさんのプロフィールなどは、こちらをクリックしてみて下さい。
リリーの登場で会場から少しずつどよめきが起こってきて、最後に歌を一曲披露した後には、会場は割れんばかりの拍手に包まれていました。まさに、劇中の寅さんの語りを地でいく光景でした。
風船の作りものは、野口さんのもう一人の芸人仲間“フーセンの寅”さんの作品。
リリーさんと、我らがココトラ代表・轟屋いっちーこと一井正樹。いっちーはさしづめ満男くんというところだろうか。
上映後、少ないスタッフで玉のような汗をかき会場を片付け、その後は皆で打ち上げ。スタッフは全て報酬も手当も給料もなし。打ち上げも割り勘。
そして、夢も皆で分かち合う。震災以降、いたずらに「絆」という言葉が氾濫しているが、我々はなでしこJAPANのように、言葉なんぞなくとも結びつきあっているのだ。
打ち上げ、いつもは居酒屋でやるんだけれど、今夜は珍しくカラオケスナックで。車の人はノンアルコールビールでひたすら盛り上がるのだ。
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