鳥と山

作曲 タカツカアキオ
作詞 鎌田浩宮

僕は打ちひしがれて 泣いても理解されないで
彼らは「がんばろう」とか「絆」とかしか言わないんだ
そんな時 君は無言で そっと寄り添ってくれた

どうぞ励まさないで だけど放っておかないで
僕の苦しみに 寄り添ってね
僕は傷ついた鳥 山の向こうへ渡れない
飛べるまで 君が見守ってくれる

 

僕は打ちのめされた 泣いても共感されないんだ
彼らは「元気出して」とか「希望」とかしか言わないんだ
そんな時 君はそっと 頑張らなくていいと言った

どうぞ励まさないで だけどまた会いに来て
僕の悲しみに寄り添っておくれ
僕は傷深い鳥 山の向こうが遠すぎる
飛べたら 君が抱きしめてくれる

 

津波にもがれた僕の羽根 治して大空飛びたい
そしたら 強く抱きしめておくれ
津波にもがれた僕の羽根 治して大空飛びたい
そしたら 強く抱きしめておくれ
僕は傷深い鳥 山の向こうが遠すぎる
飛べたら 君が抱きしめてくれる

今回のライヴには「鳥と山」というタイトルがついていました。
それはこの曲が由来です。

前回2013年2月に催した、デビュー5周年ライヴの際のテーマは、「311」でした。
なので、自ずと今回のテーマは「復興」と決めました。

復興は、ニュースでもやっている通り、遅々として進んでいません。
仮設住宅の人も、避難生活を続けている人も、信じられない数ほどいます。

なのに、日本の軟弱なミュージシャンは、「がんばろう」とか「絆」というフレーズやスローガンを歌詞に挿入し、いかにも復興が進んでいるかのような歌を歌います。
腹が立ってなりませんでした。
僕自身が震災以降、精神的なダメージを回復するまでに、相当な時間がかかったからです。

そんな世の中の「復興」と、僕自身の「復興」をダブルミーニングで歌う曲なのですが、実はこの曲はトリプルミーニングなんです。

僕とタカツカさんの共通の友人が、震災と前後して若くして癌になり、手術は成功したものの、再就職もうまくいかず、再発の恐怖に悩まされる日々を送っています。
彼を励ますなんてことは、被災者に「がんばろう」と安直に言ってしまう風潮と重なりました。
僕は彼に「がんばろう」だなんて、おこがましくって、言えない。
ただ、何もできないけれど、寄り添うことはできるだろう。

それでできたのが、この曲です。

実は作曲自体は、タカツカさんがその彼と学生時代、バンドを組んでいる時に創ってあって、記憶がおぼろげらしいんだけれど、その彼が詞を書いて、練習で演ったことがあるかもしれないそうです。

 

エプスタインズで、この曲が収録された、
舞天(ブーテン)ライヴアルバム「鳥と山」
1000円(送料・税込)で販売していますよ。
DVDこちら
CDこちらですぜ。

 


2015.01.21