2013年7月7日(日) 野バラ

文・鎌田浩宮



ゴルフ

やらない
ヤツ

人だらけ

東京

聴く
音楽。

上田の旅の宿、
素泊まり3000円におまけしてくれ
これ裏庭で採れたから持ってきなさい
と梅の実をどっさりもらい
東京に持って帰ってきたが
ああ面倒臭そうだと放置
しかし捨てるほどにはなれず
一ヶ月。

いとうせいこうとか糸井重里とかが
園芸とか野菜作りとか夢中になってるのを聞くと
あああんなにトンガってた人も
そうやって小さくまとまってくのねえ
としか思えず
その手の事に手を出すのが嫌だったのだ。

梅ジャム…種を取ってから煮るのか
梅ジュース…氷砂糖買いに行くの面倒

怒られそうな消去法で
梅干を作る事にした。

いかん。
楽しいじゃないか。

できた。
美味いじゃないか。

「中学生円山」に出てきた
引越のご挨拶にお手製のジャムをお隣さんに配る謎の男
になりそうだ。

山さん家に、行く。
電車で羽田へ、向かう。
品川から、延々と高層マンションや団地が連なる。
元々は海だった所に、線路の際まで密集している。

圧迫される。
こんなにも、人が住んでいるんだ。
そして、こうも思った。
こんなにも人がいるのに、
世の中は変わらないんだ。
例えば、ここに住む何百万人の人が
原発に反対しているのに、
ほんの一握りの政治家のせいで
封じ込められてしまうんだ。

羽田のすぐ手前、
穴守稲荷で降りて、銭湯に入る。
この辺りは全く再開発されず
下町の長屋が残っていて
銭湯の数も多いんです。

ああ、夏の銭湯も、気持ちいいなあ。
311以来、銭湯に行ってなかった。
浪の看病で、精一杯だった。
浪、ありがとう。
ようやく、好きな銭湯、行く事できたよ。

山さん家で、夜中の3時まで
CDを聴いて過ごす。
この曲、いいね、とか、
唸ったり、感心したり。

いい齢こいて
博打も株もゴルフも女もやらない。
音楽が好きで
一緒にバンドをやって。

どっさり持って行ったCDの中で
山さんが1番気に入ったのが
予想通り、このアルバムだった。

高田漣
「アンサンブル」

はっぴいえんどの新譜のような
なんでこんなに心地いいんだろう、な
全曲生楽器によるこのアルバムの中で
1番好きな曲は
「野バラ」。

今年の七夕は、
記憶にないくらい久々に
晴天で
夜、星を見る事が出来た。

でも、
どれが織姫で
どれが彦星か
分からない。

見てた人、いるかい?
見えたかい?
そもそも、空、見上げたかい?


2013.07.16