第81話 第2章「宴の後、鎌倉の夜の浜辺で…」の巻

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「ごちそうさまでした~」

 

「今日はありがとうございました、ホントに楽しかったです!」

 

「是非またいらして下さいね」

 

「また飲みましょう、気をつけておかえりなさいな」

 

 

いやぁ、ちょっと酔ったな

でも、いい酔いかただ

ほろ酔い気分でカノジョと家路に

 

星が綺麗だ

 

空を見上げとぼとぼと歩いているとカノジョが

ななめ45度後方から腕を絡ませてきた

 

「ねえねえ、久しぶりだね!さびしかったろ?」

 

「ん?別に。クリスもいるし、お店やってるとそれなりに忙しいし、な、クリス?」

 

クリスは名前を呼ばれて、ボクをチラ見して一生懸命また歩く

 

「そういえば、コイツ走らないよな、ちょっと太り過ぎかな?」

 

ボクの腕を振りほどきクリスを抱き上げるカノジョ

 

「くりすく~ん、ママいなくて寂しかっただろ?って、アンタおも~」

 

抱き上げられたクリスは

カノジョの唇を一生懸命なめ始めた

 

クリスをまたアスファルトに戻し、

ボクの腕にまた絡んできた

 

「ねえねえ、チューしてやろうか?」

 

「いいよ、クリスにべろべろなめられた後じゃ」

 

「ふーん、ぢゃあ、帰ってエッチしようか?」

 

「・・・。」

 

ボクはクリスのリードを引きながら空を見上げた

 

そしてその後、僕たちは無言のまま

腕をすべらせ手をつなぎ、5本の指を絡ませ歩いた

 

ちょっと遠回りをして浜辺を歩く

 

ざざ~ ざざ~ ざざ~

 

誰もいない深夜の浜辺、ぽっかり浮かぶ月、そして遠くで光る小さな星

 

そうか、あの星も月たちも太陽に照らされているんだろうな

ふと、そんなことを思う

 

カノジョがギュッと絡んだ指を握り返しこういった

 

「やっぱ、キミエッチしたいんだろ?」

 

仕方なくホンネをいった

 

「うん」

 

そういって、ボクもギュッとカノジョの手を握り返した

 

 

2012.05.24