第79話 第2章「キャバ嬢、カマクラに再び〜前編〜」の巻

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“とりゃあーーーーー”

 

意味わかんないし…

 

一応カノジョに

“今日お客さんのウチに招待されたんでお邪魔してくる”

とメールをしたら、こんな返事が返ってきた

 

なんだよ

 

“とりゃあーーーーー” って….

 

相変わらず、わけわかんないし…

 

ということで、カノジョは放っといて夕方

クリスを連れて出かけることに

 

そうだ、なんかお土産買って行かなきゃダナ

ということで、小町通りをぷらぷらする

 

すると、メールが…

 

“とりゃあーーーーーなう! 駅までこい! なう”

 

はあ~ん? なんじゃ? 駅って? 返ってきたんかヤツ?

 

とりあえず来た道を引き返し駅に向かう

 

すると、

ドンペリと花束持った

見覚えのあるケバいネーチャンP2090-095
が突っ立っていた

 

「よー!お迎えご苦労 ほら、みやげだ、おもたいからこれもっとくれ」

 

「なんだよ、急に、ていうか、ひさしぶりだね、元気だったの?」

 

「きゃはははは~、元気にきまってるぢゃん」

 

そういって、意味なくクルクルとまわり始めた

 

お前は犬か? はずかしいからやめてくれ…

 

 

というわけで、ドンペリと花束、

ケバいオンナと犬一匹を連れてMB7-224 地図を頼りに向かうことにした

 

しかし、こいつ香水くせーな…

しかも、なんだか、六本木のキャバ嬢丸出しで鎌倉に似合わないし…

 

「なあ、まだ時間あるし、一度家に戻って着替えれば?」

 

「なんで?」

 

「なんでって、水商売のオンナみたいだぞ」

 

「だって、アタシャ水商売だもん!喫茶店もキャバもお魚屋さんも、お花屋もみ~んな水商売だよ~」

 

なんか、一理あるような無いような…

まあいいや、好きにしてくれ

 

そうこうしているうちに、

ちょっと山沿いのお寺がある静かな住宅地の一角に目的の家が見えた

 

「あ、ここだ」

 

ガーデニングをやっているのだろう

花で囲まれたちょっと広い庭がある二階建ての洋館

 

すると、「おー!いいうちだな!オマエも稼いでアタシに買ってみろ!」

 

「・・・。」

 

ま、まあ、オトコたるものそんくらいの甲斐性あってもいいかもしれんが、

いまのボクには到底無理だな…

なんせ、1杯500円のコーヒーやら売ってる身だから…

 

と、ちょっとセンチメンタルな気分に浸る間もなく

 

カノジョは呼び鈴を鳴らした

 

「こーんにーちわー!」

 

程なくして、初老の品の良いおばさまが玄関から出迎えに…

 

 

続く

 

 

2012.05.10