第四十三夜:「アンニュイ」

diary_ame

雨がつづく季節、
知らず知らずとアンニュイになっていく私。
昼間晴れていたのに夕方からの雨。
涼しくなって嬉しいはずなのに、
落差が私をよりアンニュイに引き込んでいく。
 
アンニュイ。
 
「アン」が否定の言葉なら、元気はつらつなら「ニュイ」?
ううん、そんなことはどうだっていいの。
 
うつろな瞳で一人コーヒーを飲んでいると、
頭の悪そうな古臭い現代ポップが聞こえてきても、
板場のデブが余った飯をむさぼっていても、
大女将がイライラして館内を走り回っていても、
今日いくはずだった買出しも、
やらなきゃいけない経理も、
録画して貯まりっぱなしの「JIN」も、
もう、どうでもいいのよね・・・。
 
どんなことでも赦せてしまうみたい。
というか、なんの興味も持てず、ただ流れていくみたい。
一人で食べようと取り寄せていた東京の超高級御菓子を
若い仲居たちにあげても、今日の私はなんにも思わない。
明日になったら悔しがるんだろうな私。
 
 
 
アンニュイ。
 
アンニュイをしているのはアンニュイング?
 
アンニュイのプロはアンニュイスト? アンニュイシャン?
 
アンニュイを建てるところはアンニュイ工務店?
 
ベジタリアンはアンニュイは食べていいのかな? たぶんOKか。
 

 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、週末はお客様沢山来るんだった。
 
 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、日本のスパコンが首位かあ。
 
 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、最近ユッケ食べてないなあ。
 
 
しとしとしとしと。
 
 
あれ、今日、ごはん食べたっけかなあ?
 
 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、なんだろう、解脱していくみたい。
 
 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、仏陀は涅槃に入ると言ったけど、涅槃てどこにあるの?
それは言っていって欲しかったなあ。
 
 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、この症状はアンニュイではないのかもしれないなあ。
 
 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、疲れているのかなあ?
 
 
しとしとしとしと。
 
 
ああ、多分これ、貧血だ。
 
 
 
 
 
 
 

2011.06.22