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- 2012.10.18:第九十五夜:「二度と辿り着けない場所」
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- 2012.09.26:第九十二夜:「私は巨大になりたい」
- 2012.09.19:第九十一夜:「近頃のあたしゃ・・・」
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第四十四夜:「ひまわりの健気さに・・・」
私はひまわりが大好きです。
どこか高貴ささえも漂う、その凛とした姿。
色も背丈も歌声も、その身の全力を使って発散して。
まるでこの世の応援団のよう。
そう小さい頃から想っておりました。
先日、こんなニュースを知りました。
今この「ひまわり」が、放射能汚染された土壌の浄化に
効果があると注目を集めているそうです。
植物の中には土壌の放射性物質を吸収するものがいるそうですが、
その中でもひまわりが最も吸収効率が高いらしく、土壌の放射性物質の
除去に30年以上かかると言われていた土地でも、わずか20日で
95%以上を除去したという記録が残っているのだそうです。
現在、今回の原発事故を受け東北地方を中心とした自治体やNPO法人、
ボランティア団体などによって、このひまわりの力を利用した
土壌浄化作戦が、続々とスタートしているのだそうです。
しかし、ひまわりは土壌の放射性物質を吸収・蓄積はするそうですが、
ひまわりの中で変換が行われるわけではないので、
放射性物質が消えて無くなるわけではありません。
だから放射能物質を吸収したひまわりは成長した後、根ごと収穫し、
一般的な放射性廃棄物と同じ処理を施すそうです。
私たちの取り戻せないほどの大失態に、
健気に、身をポンと投げ出す姿に、
いや、自分達の為なら何でも容易に放り込むヒトの羞恥の無さに、
それでも文句一つ言わず、
地球を戻そうとするそのひまわり達の姿を想像して、
それでも笑顔のままでいるひまわり達を想像して、
私は泣いてしまいました。
幼い頃、あのひまわりから感じた“強さ”のようなものは
もしかしたら、私がまだ一つの危うい生物で在れたからこその、
敬意だったのかもしれません。
それはひまわりにだけでなく、全ての生命に対しての。
今年は当館でも、放射能除去の為ではなく、
ひまわりを沢山植えたり、飾っていこうと思います。
そしてこの話を皆にしていこうと思います。
今一度、自然に謝罪する機会として。
今一度、自然と共に歩く機会として。
私はひまわりが大好きです。
我ら、この地上に在りて生きる限り、
歓びより歓びへと導くは自然の恩恵なり。
ワーズワース
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