映画「モナーク三軒茶屋410」批判。連載②

前回のモナーク批判、すんごく面白かったですね。
「モナーク」は、
そして映画は、
そして日々の生活は、
そしてジンセイは、
こう面白がれ、ということを、
実に簡単明瞭に説明してくれました。

さて連載第2回は、
エプスタインズ創刊時から1年弱に渡り執筆・参加を
「長期欠勤」していた、
映画「モナーク三軒茶屋410」監督、
西山亮による文です。

 前回とは、また全然違う角度から攻めてくるぞ。 それではどうぞ

んでもって、このDVD、買いたくなったらここから!
http://epstein-s.net/archives/3779

 

 

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「モナーク三軒茶屋410 DVD発売に寄せて」 西山亮

2001年から私と鎌田浩宮氏と松麿健夫氏と数多くの美女たちによって制作された「モナーク三軒茶屋410」を解説するにあたって
まず三軒茶屋というのがどんな町なのかを説明する必要があるだろう。

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三軒茶屋はご存知のように世田谷通りと玉川通りが分岐する地に
三軒の茶屋が立っていたことがその地名の由来となっている。
茶屋というと旅人が一時足を休め、一杯の茶でのどを潤すといったイメージを抱きがちだが、この三軒茶屋に建っていた「茶屋」というのは、そんな生ぬるいものではない。

この「茶屋」は江戸時代に隆盛を極めた「大山信仰」に端を発する
大山講のアジトとして設立されたものであり、そこには御師と呼ばれる教祖を中心とした極めて排他的かつ攻撃的な狂信集団が形成されていた。

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それ以前には幾百の大山講が関東を中心とした日本中に存在しており
それぞれが武装し抗争を続けていたいわゆる「大山戦国時代」を生き抜いた三つの講が、強烈なカリスマ性を持つ御使の元、大山詣の起点となる地に「城」を構えた。
それが現在の三軒茶屋交差点付近にあったとされる
「角屋」、「田中屋」、「信楽」という三軒の「茶屋」だ。

それぞれの茶屋の勢力は拮抗しており長い睨み合いの時代が続いた。
「茶屋」に傭兵として雇用されることを期待した腕自慢の男達が町に溢れ
暴行や略奪が横行し「野良犬さえも生きて町を出ることが出来ない」という
緊迫した空気が周辺を支配するようになった。

ある日そんな三軒茶屋に一人の素浪人がふらりと足を踏み入れた。
着流し姿で腰に長い刀をぶら下げ肩に猫をのせている。
間もなく屈強な男達が素浪人を襲うが、猫を肩にのせたまま見事な刀さばきで返り討ちにする。
その男は、信州浪人・鎌田浩之進を名乗った。

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高い塔の上からその様子を見ていたのが「信楽」の女主人・大山本フジ。
自らの夫を毒殺し女主人になったフジは、実質的に三軒茶屋を支配する存在になっていた。
もちろん浩之進を襲わせたのもフジだ。
フジは町の中心にサンダードームと呼ばれる巨大なコロシアムを建設し
男達を戦わせ性的な悦楽に浸っていたのだった。

フジは浩之進を塔に招き入れ命を救う代わりにサンダードームで闘うこと命じる。
サンダードームで浩之進を待っていたのは、2メートルを超す仮面の大男・マロ。

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4時間にわたる死闘の末に浩之進はマロを組みしき命を奪おうとするが
仮面の隙間からのぞくいたその美しい瞳を見てとどめを刺すのを思いとどまる。
その瞬間浩之進はフジの手下が放つ弓矢に倒れ、気を失ったまま三軒茶屋から追放される。

数日後、目を覚ますと金髪の美女が心配そうに浩之進の顔を覗きこんでいた。
行き倒れていた浩之進を自分の暮らす家に匿い介抱してくれていたのだ。
そして恋に落ちる二人…浩之進は金髪美女の暮らす美しい緑の村で安らかな時を過ごす。

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やがて浩之進はこの美しい村にもフジの魔の手が迫っていることを知る。
さらにこの金髪美女は仮面の大男・マロの妹だったことが明らかになる。
マロは自らの命を救ってくれた浩之進を妹と結婚させ、2人は義兄弟の契りを交わす。

固い絆で結ばれた浩之進とマロは、二人でフジへの復讐を決意し、
魔窟と化した三軒茶屋を火の海に沈めるのだった。
今でも世田谷区立の小学校では浩之進の偉業を子供たちに伝えている。
浩之進は今も三軒茶屋の人々の心の中に生き続けているのだ。

この感動の実話を元に制作されたのが
メル・ギブスン主演「マッドマックス サンダードーム」です。
DVDはAmazonでご購入ください。

2011.06.27