第100話 第2章「ロンサカッパを煽る夜」の巻

海沿いにある

約10坪の小さなカフェ

2階は、カノジョとボクとクリスの部屋

 

店には小さなテラスがあってテーブルと椅子が2つ

そこで、波の音を聴きながら2人でたまに酒を飲む

 

なんだか、とてつもなく平凡だけど

つまらないなんて思ったことはなかった

 

トーキョーにはない“なにか”が、ここにはあった

 

最後の晩餐はチキンを焼いて、鎌倉野菜でサラダと

最近すっかりプロの味?のパスタをボクが作った

そして、ちょっと奮発して買ってきた

シャンパーニュを開けた

 

ほろ酔い気分のカノジョはベッドに入るや否や

軽い寝息と共に寝てしまったが

ボクは寝付けなくて

テラスに出てロンサカッパを独り煽った

 

酔っぱらい

そして、明け方眠りにつき

起きるともうカノジョの姿はベッドにはなく

旅行カバンはなくなっていた

 

置き手紙を探したがそれらしきものはなかった

 

幾度となくカノジョはフラッと出て行っては

フラッと素知らぬ顔で帰ってくる

まるで勝手に住みついたノラ猫のように

 

喧嘩をしても必ず仲直りをした

その度に、抱き合って眠った

 

だから、もう会えないなんて気はしない

 

今度の行き先は知っている

しかも、一応の目的も期間も知っている

 

だから、帰ってくるに決まってる

そして、また一緒に暮らすってことも解ってる

 

解っているけど…

 

カノジョとボク

もしくはボクとカノジョ

 

主人公はどっちだったんだろう?

 

このストーリー

多分、終わらないはずだよ

だってクリスもいるんだしね!

 

To Be Maybe Continued…

 

2012.10.11