玉音ちゃんradio 第9回「加藤和彦を歌う」

DJ・鎌田浩宮

tonovan

YMO気狂いだった中学生の僕らは、
彼らが参加している225-030
他のミュージシャンのアルバムも
貪欲に聴きまくるようになる!
カスッカスのスポンジ状態な僕らは
そのどれもが面白くって吸収したくってたまらない眠れない止まらない!
その中にトノバン・加藤和彦もいた。

そこには「あの素晴らしい愛をもう一度」のフォーク臭は皆無、
大人のロックがあった。

yuuga-kato

僕は自殺を肯定もしないけど、
人身事故で電車が止まる度に
「死ぬなら迷惑かけないで死ねよ」
と吐き捨てる腐りオトナの心情は持E22-275 ち合わせていない。

だが、死にたいくらい心が苦しい、
といううつ病の心理は、なかなか解ってもらえない。

眠いから眠る、
いくら我慢しても睡魔は襲ってくるように、
うつというのは、
いくら頑張っても何もする気になれず虚無感に襲われ、
虚無はやがて死にたいという欲求に変わる。

これは明らかに病気の類であり、
治療が必要で、それで治る場合もある。

Black Ship

うつ病が原因で自殺したトノバンを過度に分析し、
こういう性格だから、こういう生活だから、こういう信条だから、
彼は自身を死に追い込んだ、
と書くのは嫌だ。

また、自殺が原因で彼の作品を批判的に見直す、
というのは論外だ。

それは優生思想…
ドイツ人は優れた人種でユダヤ人は人種として劣っている、というのと
あの人は内省的で神経質だからうつ病になりやすい、というのは
どちらも同じ、優生思想という視点で
人間というものを分析してしまっている。

誰もがうつ病になる可能性をはらんでいる、
そここそを注視してほしい。


「あの頃、マリー・ローランサン」
作曲 加藤和彦
作詞 安井かずみ
演奏 舞天

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だからトノバンの大好きな歌を歌った。
もー、キャマダのへったくそな歌とピアノが
山さんとタカツカさんの演奏を台無しにしてるけど、
最後にビートルズの
「when I’m sixty-four」
を挿入したのは気が利いてるじゃないか、
ということでお許しを!

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マリー・ローランサンの
絵の前に立ち止まり
欲しがる君を 連れて帰ったり
日曜日は 二人だけで 過ごしたもの

去年のブルゾンの
袖など まくり上げて
オープンしたての キャフェをのぞいたり
日曜日は 二人だけで 過ごしたもの

アパートの広告 読み散らかしては
何とはなしにお互い 未来を夢みていた

マティネイの切符は
昨日の土曜のもの
口もきかずに 破り捨てた君
その夜は 長椅子で ひとり寝たもの

タイピストやめて オムレツ焼くのも
いいかもしれないなどと 気をもたせた科白も

ウィンドウで見つけた
コーラルのブローチ買い
その帰り道 どこかで失くした
泣きそうな そんな君を 愛したもの
泣きそうな そんな君を 愛したもの

anokoro-mary

今日、10月16日は、トノバンが旅立った日。
そんな今日の気分は、トノバン率いる
サディスティック・ミカ・バンドの
「hi baby」で歩き出そうよ!

ハイ、ベイベー 何があったの
ハイ、ベイベー こんなに早く
ハイ、ベイベー 淋しがり屋の
ハイ、ベイベー あなたらしいわ…

2011.10.16