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私の2019年映画総合ベストテン 鎌田浩宮編
写真/文・鎌田浩宮
2019年。
映画館で観た映画は、54本でした。
せわしない日々の中、時間ができると、映画館へ。
家で淹れたコーシーを、ポットに詰めて。
うわあ、このうえないぜいたく。
独りで、ゆったりした時間。
長生きしてよかったと思える、数少ない瞬間。
バート・レイノルズの遺作、切なかったですね。あの製作意図に、どこまで意識的に乗っかっていたのでしょうか。ロバート・レッドフォードの引退作は、久しぶりに両親を連れて観に行きました。
2作とも、ミニシアターとまではいかないけれど、小さなコヤでした。見込む興行収入からそうなっちゃうんでしょうけれど、大きな銀幕で観たかったですね。
「初恋」は倍賞千恵子さん久々の主演作だったので行ったんですが、星由里子さんの遺作でもあったんです。大好きな若大将シリーズの、マドンナですよ。こりゃあもう、コヤで観なくてはいけません。
封切時に見逃していた作品も、いっぱいランクインしてます。旧作ではあれど、初めて観るわけです。その後、うっかりインターネットで、主演俳優の現在の姿を見るわけです。老いているんですね。幻滅は、しません。ただ、便利な事を避けなければ。
以前とても素晴らしい作品を撮っていた監督が、芳しくないケースを見受けます。でも、それはおかしなことではないんです。監督によってはテレビ局がスポンサーにつき、1年に1本公開を強いられている場合もあります。これでは、摩耗します。
ヴェンダースの新作も、落胆しました。「ベルリン天使の詩」を撮った天才とは思えません。
かと思えばイーストウッドのように、多くのブレーンやチームがいるんだろうな、担がれてるんだろうな、じゃなければあんなに節操もなくあちこちのテーマに手を出して、毎年のように作品を乱発できないだろうという。しかも、彼はトランプ支持者だし。
「許されざる者」を観て、どこが面白いんだろうと首をひねったんです。でも、マスコミも評論家も大絶賛でした。その後も観てきましたが、「パーフェクト・ワールド」以外は何も感じませんでした。決定的になったのは「アメリカン・スナイパー」の劣悪さです。
こうなると、ただのぼやきですね。ぼやきです。ノムさん、好きですし。2019年映画のまとめは、ぼやきで〆ます。でも、例年以上に素晴らしい作品とたくさん出会えた気がしてるんです。ありがとうございました。では、国内外やドキュメンタリーを問わず、2019年のベストテンを、以下に連ねます。
1位 私の20世紀(4Kレストア版)
2位 新聞記者
3位 男はつらいよ お帰り 寅さん
4位 星に語りて
5位 岬の兄妹
6位 主戦場
7位 COLD WAR あの歌、2つの心
8位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
9位 テルアビブ・オン・ファイア
10位 家族を想うとき
11位 タレンタイム~優しい歌
12位 i-新聞記者ドキュメント-
13位 イメージの本
14位 半世界
15位 風たちの午後
16位 麻雀放浪記2020
17位 陽のあたる町
18位 イリュージョニスト
19位 象は静かに座っている
20位 ひとよ
21位 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け
22位 ブラック・クランズマン
23位 よこがお
24位 ヨーゼフ・ボイスは挑発する
25位 盆唄
26位 さらば愛しきアウトロー
27位 米軍が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯
28位 真実
29位 凪待ち
30位 ある船頭の話
31位 エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ
32位 ドッグマン
33位 ラスト・ムービースター
34位 台北暮色
35位 カツベン!
36位 初恋~お父さん、チビがいなくなりました
36位 ダンボ
37位 帰れない二人
38位 ブルーアワーにぶっ飛ばす
39位 旅のおわり世界のはじまり
40位 地の果ての鼓動
41位 パラダイス・ネクスト
2020.01.17<< エリカ38 私の2019年外国映画ベストテン 鎌田浩宮編 >>