第6便「サヴァイヴァルシチー、トシマ。」

久々に探してきました、「官公庁のトイレの落書きを探して」。
今回は、豊島区役所です!
池袋駅から徒歩数分と、エラいエキチカです!

さて池袋といえば、私が小学4年の頃、1週間だけ引越しをした街でして。
なんで、あーた1週間だけ?
んなもん、いやぁ聞くも涙語るも涙よぉサヴァイヴァルなジンセイよぉ。

その頃、父が女を作って家出してしまい1年も経ち、遂に離婚を決意した母は、私と弟を連れて池袋に引っ越したんです。

もーね、引越し前日はクラス中で、涙そうそう。
せっかくできた親友ども
(その中の数人・・・戦ゴジさんとか・・・とは、今だにつるんでます)
と、身を裂かれる思いで、泣きながらさよならをし
(そう、その年齢にとっての三軒茶屋とブクロは、果てしなく遠い距離でしかないんである)
何で私ったら幼少の頃からこんなつらい目てんこ盛りなんだろうマッチ売りの少女だったら灯油かぶってマッチすって憤死しとるわ情態。

そんな私は、我慢できずに親友の1人に打ち明ける。
「絶対内緒にしといてくれよ。俺、苗字変わっちゃうかもしれないんだ。」

で、池袋に引っ越すんですが、おいおいなんとそこには男がいたのよ!
なんだよ、父も父なら母も母じゃねえか。
「いや、あの男(ひと)とは何にもなかったわよ。馬鹿ねえ。」
・・・あれから30年以上経った今でも、母はそうのたまう。

てなわけで、男との奇妙な同居生活を開始するんだが、1週間後に急展開。
父が女の元から還ってきて、よりを戻そうと言う。
母は泣いたなあ。
泣きすぎて腫れ上がった目を、サングラスで隠してたなあ。
あれは嬉し涙だけではないんだよなあ。

そうしてたった1週間で元の学校に戻るわけですが、こっちの方は嬉し涙です。
もー、皆にもみくちゃにされて。
「こんにゃろ餞別にあげたピンク・レディーの下敷き返せ!」
とか笑顔で言われながら。
まー、確かに引越し詐欺みたいなもんです。指名手配ですウォンテッドです。

そしてしばらくしてから、そーっと皆に聞かれたのは・・・
「あのさあ・・・苗字、変わっちゃったの?」

あいつ、皆に喋っちゃたんだね。
それは、決して悪気があったわけじゃない。
小学4年の彼にとっては、とても自分の胸の内に閉まっておけるほど、小さな事なんかじゃなかったんだ。
誰かに話さないと、胸が張り裂けそうだったんだ、きっと・・・。
つらかったんだね、ありがとう、あいつ。

と、サヴァイヴァルな思ひ出ぽろぽろ、ブクロなのであって、どんな落書きがあるかこれは楽しみである!

tosima (5)

おー、玄関からして、インターナソナルシチー・トシマ。
英語と中国語の表記。
もしかして、落書きも日本語以外のもの、あったりして!
胸、躍る。

tosima (4)

豊島区役所自体は今までの官公庁同様、かなり古い建物。
でも、今やどこもそうだけど、内装は綺麗になってる。
トイレに至っては、一層そうなってる。
ありがたいウォシュレットタイプになってる。
外国人の方々、うまく使えますでしょうか。

tosima (1)

そして、最初に目に飛び込んできたのが、この張り紙。

tosima (3)

今まで様々な張り紙を紹介してきたが、トイレットペーパーを失敬しちゃう云々の張り紙は、初めての事です。
地域の特色、あり。
そー。
ブクロは、若干サヴァイヴァルな方々が住まわれているのである。

・・・、そして、異例の速さで、落書きは見つかったのだ。

tosima (2)

“○○はブスだ
色が黒くてギョロ目だ
横から見ると魔法使いの女のようだ”

ううむ。
あまり面白くない。味わいもなければ、謎めいてもない。
今回はキビシイ事書くど。
いろんな国の人が住んでいる豊島区である。
日本代表をしょって書くくらいの気構え、ほしい。

“あの男(ひと)とは何にもなかったわよ。”

“餞別にあげたAKB48の下敷き返せ!”

“親も僕も、苗字、変わっちゃったの”

こんくらいの落書きが書けるよーになったら、歴史ある立派な豊島区民、日本代表であろー。
インターナソナルシチー・トシマに、昔からそして今もなお渦巻く、家庭不和、貧困などの、様々なサヴァイヴァルを落書いてこそ、トシマなんである。
頼むぜラクガキストよ!

tosima

2010.10.22