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キャマダの、ジデン。㉓和田淨美先生
著・鎌田浩宮
そんな元祖学級崩壊のよーな存在だった僕らを
軽々と手のひら乗せて転がしてたのが
担任の、和田淨美(わだ きよみ)先生である。
当時、僕らの親と歳も近く、
近所のおばちゃんみたいな雰囲気もあるが、
でも、派手な口紅も印象的だった。
だってまだ30代に、なったかならないかでしょ、
そりゃ同僚の先生の気も引きたいっちゅーの。
オンナ、ですもの。
※お。写真は、当時の和田先生そっくし、綾瀬はるか嬢ではないか。
まずすごいのは、
月曜の1時間目は、授業をやんない。
気分が、乗らないんだろーか。
「うちの僕ちゃんがねえ!」
僕ちゃんとゆーのは、
先生の息子である。
歳は僕らと同じくらいらしい。
プチ溺愛、サイコー。
「うちに友達連れてきてね、でコーラ出してあげたらコーラは歯を溶かすから親に飲むなって言われてるって言うのよどー思う?歯くらいいーじゃないねー飲みゃーいーじゃないのねー」
嬉々として喋り続ける。
僕らの頭ん中は・・・
(♪ポワンポワンポワ~ン)
コーラ→好き
歯によくない→あまり飲んではいけないはず
先生の言うこと→100%正しいはず
とここで一気に脳内は
混乱混迷を来たすはずなんだが
先生のこと→大好き
モラルに反すること→これも大好き
っつーベクトルがでっかくなって
僕らは大笑いしながら
先生にうなずくんである。
で、あっ!とゆー間に、
1時間目終了。
「あ、2時間目は、授業やろうか?」
と言いつつ、
稀にこの「世間話」は、
2時間目ぶち抜きで行くこともあった。
前の日の晩にテレビでやっていた
映画の話になることも、あったなあ。
小学4年坊が23時まで起きてること、
全然オッケーなわけだ。
「昨日の『ハロー・ドーリー』観た?えっ?観てないの?素敵なミュージカルだったわよお!」
こっから学んだ事は、大きいね。
この広い空くらい、大きいね。
いい加減=良い加減
という名の 楽しさ 豊かさ
モラルに縛られない
自由な心
おおらかな心
僕のものの考え方の根幹は、
早くも10歳で完成しちゃったんである。
こんな毎日が嬉しくって嬉しくって
当時新聞係だった僕は、
こんな1時間目の出来事を
学級新聞に書いて書いて
廊下で他のクラスの子たちにも配った。
「鎌田くん、それやめて…。他の先生に、授業やってないことバレちゃうわ」
あ、解りました、ここは共犯同盟、結びましょ。
他にもまだ、エピソードはあるぜ。
次回へ続く!