第93話 第2章「急展開!?ハローグッバイ!?」の巻

奥さんは帰国子女

そう、英語がペラペラどころか学校の先生をしていたそうだ

さすがはエリート商社のご婦人だけのことはある

しかも、ご主人と3年に渡る英国生活

どうりでね…

洋館にビクトリアンな感じのアンティーク家具に

アスタヌーンティーには、

スコーンとイングリッシュティーだったのも頷ける

 

居候、いやこの場合ホームステイとでもいうのか?

カノジョが感化されるワケだな

 

夕暮れ、今朝に続いて

今度は奥さんとカノジョとクリスで現れた

 

そして、今日2度目のアイスコーヒーを飲みながら

カノジョはボクにこういった

 

「アタシャロンドンに行くことにした、そして学校行ってケーキ屋になる」

 

「・・・。」

 

もう慣れてる、今さら驚かない

これが、ボクの子供が出来たとかなら

それはそれでリアルで驚いたかもしれないけどね

 

意外にもあっさりとカノジョの言葉を受け止めてた

 

「まあ、決めたんだろう、頑張れよ」

 

しかしロンドンで学校?ケーキ屋?

それならパリでパティシエ目指せばいいのに

なんて、頭に浮かんだ

 

「一緒にいくか?いかないんならクリスと待っててよ」

 

「ん?待ってるってどういう意味?」

 

「帰ってきたらここでケーキ屋やるんだよ」

 

「ここって、この店?」

 

「他にナイぢゃん」

 

「いつから、どんくらい行くの?」

 

「9月から2年くらい」

 

「オマエ英語できないじゃん」

 

「今、ママさんに教わってるし、向こうでも勉強する」

 

「まあわかったよ、諸々ね。つまりは、オマエは9月からロンドン、オレとクリスはここでキミを待ってりゃいいってこと、それとオマエが帰ってきたらここがケーキ屋になる。そういうことだな?」

 

「ウェルダ~ン、イグザクトリ~ ユー アー ライツ!」

 

ふん、急になにそれ気取りな英語しゃべってやがんだ

 

「んぢゃ、クリスとお店お願いね、褒美として今日からロンドン行くまで一緒にいてやる。それと、エッチもしたっていいぞ」

 

なんでそう、高飛車なんだ

それに、よく人前でそんなこといえるよな、コッチが恥ずかしいわ…

 

奥さんがカノジョに英語でしゃべりかけた

早口で流暢でボクは聞き取れなかったが

カノジョは笑いながら何やら小声の英語で返事を返していた

 

ふーむ、いつの間に

何を言っていたかは興味ない、別にたいしたことじゃないだろう

 

キッチンへ戻り、洗い物をしながら

もう一度、頭の中で話をリピートしてみた

 

カノジョは9月からロンドン、オレとクリスはここで帰りを1年待つ、そしてカノジョが帰ってきたらここがケーキ屋になる。今日から行く前の間、同棲復活、そしてSEXをする。

 

そういうことだな?

おいおい、冷静に考えるとエライことになってないか?

それともうひとつ、

帰ってきて、仮にケーキ屋になったとして

肝心のボクとカノジョはどうなるんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

2012.08.23