第68話 第2章「仕事スイッチ」の巻

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雨か…

平日の昼下がり
いつものお客さんが2人
まったりとした空気が店内に微睡む

カノジョはというと、
ウーンとか、そうか!とか、ありゃりゃん!とかいいながら
なにやら新作スイーツの開発に勤しんでいる

「ちょっと、東京にいってくるね、打合せ」
そういって、店を出る

「ほーい!アタシャ忙しいんだよ、なう」

「はいはい、んじゃね」

「ちゃお〜」

晴れの方が好きだけど、たまにこうした雨の日もいいな
小雨だし歩いて駅まで向かうかな
雨の鎌倉の街を散歩気分で歩く
東京暮らしの時の通勤と違って気分がいいもんなんだ
なんだか、時間がゆっくり流れるんだよね、この街は

のんびり30分程歩いて駅にたどり着く
改札を抜け、電車に乗り都心に向かう
横浜を過ぎる辺りから、だんだんとトーキョーモードに入る

カノジョがキャバクラ勤めだったあの頃と違って、
正直カフェだけでは生活は厳しい…

“さてと、仕事仕事、稼がないとな”

心の中でそう呟き仕事スイッチをONにする

 

2012.02.23