行く、東北へ。お返事編②

文・杉本敏之/鎌田浩宮
写真・鎌田浩宮

もー一発、
イクかい?
おお、
ヤリたいぜえ。

 

前回、杉ちゃんから
「行く、東北へ。」
連載の感想を書いてもらいました。

その際に、
放射線量などに関する認識が僕と違う、
ってなことを書いていたので、
今回はそこをさらに突っ込んで書いてもらいました。

それでは、お読みあれ。

放射能に
ついての
認識の
違いに
ついて。

私と鎌田君とでは、やはり相当な違いがあると思われる。
原発の近くに住んでいて、放射能についての情報とか、常に見ているから。
安心まで行かないけど、私の住んでいるところは大丈夫だと思っている。
相馬で取れた、コメとか果物とか、ちゃんと検査して基準以下になっているから、ちゃんと食べている。

でも、それをほかの地域の人達に、
「相馬で取れたものです。基準値以下で、安全ですからどうぞ。」
と言ってお土産に渡そうとは思わない。
たぶん相馬の人はみんなそう思うでしょう。
私の父もそう言ってました。

 

10㎞

距離、

違い。

 

今のところ、放射能の危険についてはあまり気にしていない。
いや、それは、何といっても相馬が、避難区域になっていないからで、これが、だんだん原発に近い方の住民になると、当然気にする人も増えてるわけで、実際相馬市から、10キロ南の南相馬市原町区の人たちは、もう避難指示は解除になっているが、小さい子供とか、そのお母さんとかは、避難したままの人が多い。

だから、私も、もっと南の方、原発に近い所に住んでいれば、当然考え方も変わってくるだろう。

 

さらさら
気に
しない。

 

そして、父も私も放射能についての認識は、同じだと思うが、 父の方が年齢がいってるぶん、
「俺はもう年だから、放射能の影響が現れるまでには寿命で死んでいるだろう。」
とか言って、さらさら気にしない。

私は父と同じくらい、放射能は気にならない。
しかし、心配なのは、このまま、無事に、重大な放射能漏れを起こさずに、完全停止できるかどうか。だ。
今、福島原発4号機の使用済み核燃料を抜き取る作業をしているけど、これが、相当やばいのではないのかと。
作業中に地震が起きて、核燃料がむき出しになったりとか。

 

また
隠す
かも、
知れない。

 

そのせいで、重大な放射能漏れがおこっても、また政府はその情報を隠すかもしれない。
いや、いまは、結構、個人で放射能測定装置を持っている人がいるから、すぐにわかると思うけど。

核燃料の抜き取り中に、地震とか突風とか竜巻とか、起こらないように祈るしかないです。

 

このお便りをもらった後、
杉ちゃんと電話で話しました。
考え方の土台が違うんだよね、
ってことを。

僕は、政府の決めた基準値を信用していない。
さらに言えば、
体内被曝に関してはまだ研究が進んでいなく、
微量でも体内に蓄積されれば危険だ、
という説もあり。
僕は、1ベクレルでも混入している食べ物、
東京で口に入れる気、ないです。

そこを杉ちゃんと言い争う気はないよ、と言って。
東京も、安全ではないけれど、
相馬はその比じゃないんだから、ね。

この夏、また相馬へ、イキます。
おじさん、7000円もする蟹を、
冷凍庫に閉まっておいて
「いつ来るんだいつ来るんだ」
と言ってるそうです。

僕のような輩が、
求められているなんて、嬉しい。

行ったら、また連載しますね。


2012.08.03