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行く、東北へ。①仙台
取材/写真/文・鎌田浩宮
東北を、
旅してきました。
僕の親友たち、
幾度となく東北へ、ボランティアに行ってます。
その頃、
僕は愛猫・浪の看病で、どこにも行けない状態でした。
浪が旅立って、数か月。
僕の親友の1人、ワオ君(仮名)は日々激務に追われ
土日も出勤し、平日の徹夜も当たり前の状態。
東北の復興支援の仕事が激増したんです。
彼はこの度、東京から仙台へ転勤となりました。
1人で引越は、時間的にも体力的にもADR-001
精神的にも困難に見えました。
僕は宮城の親戚に電話し、不動産を紹介してもらい
加えて物件紹介のフリーペーパーを送ってもらい
土地勘のないワオ君の役に立てたら…
そんなに役には立たなかったんですが、
賃貸マンションを借りることができ
(なんと内見する時間もワオ君にはなかったので、資料だけで即決)
精神的に助かったと言ってもらえました。
そげなもんですよね。
あまり役に立たなくっても
1人孤独に奮闘するよりはいいですよね。
なので、引越作業も手伝うことにしたんです。
東京で荷物を梱包し、仙台で荷受けし住める状態にする、
2人きりでの作業。
その後は1人福島県相馬市を訪れ
エプスタで連載しているダチ、杉本敏之君の家に
去年亡くなったおばあちゃんへお線香をあげに行きます。
正直、気になるぜベイベー、70-305 放射能。
でも、喜んで心待ちにしてくれる人、いるのなら。
寅さんは、
ボランティアという言葉、
知らないで動いてた。
被災地へボランティアに行くのも尊いことだけど
僕の周囲には、
困ってたり、
辛かったり、
寂しい思いを
している人が、いる。
そういう人をないがしろにしたくない。
そして今回は、たまたまどちらとも、東北と震災が関係していた。
さあ、
誰の役にも立たない、
そばで馬鹿面下げて寄り添うだけの
寅さんのような旅、始まります。
2012年4月13日(金)、
引越の荷物を全て搬出した
ワオ君と大宮駅で合流し、
新幹線。
JR・湘南新宿ラインのおかげで
東京駅を経由するより早く行けるんですね。
そして大宮-仙台間は、1時間15分から30分弱で着いちゃう。
ワオ君、仮眠して仕事の疲れを取る時間もありません。
東北一の巨大シチー、仙台。
駅前、すんごく広い。デカい。
震災の爪痕、残ってない。
でもって、あるのはLOFT、PARCO、地元の百貨店。
伊勢丹や三越、松坂屋も高島屋も見当たらなかった。
こんなにデカいのに、意外だなあ。
明日は引越の全荷物が、早朝に到着する。
僕の最初の仕事は…
事前にゆうめしの場所を探しておくこと。
とにかく広いデカい仙台駅前、
どの店に入ったらいいか見当がつかないからね。
それだけに時間をかけるのも惜しいし、
どうせなら美味しいお店に行きたいし。
っつーことで、東京で調べておいた店へ、ゴー。
満席で入れないとワオ君を疲れさせてしまうため
席も予約済みでございやす。
かこいや 仙台駅前店。
さあ、明日からちばりよー。
スズキの仙台味噌焼き。
牛タンもあるが、この店にしかない馬タン。
東京では見かけない地酒。
どれも美味い。
厨房もホールも、皆若い。
高校を出て間もないくらいに見受けられるんだけど
とてもしっかりしているので感心しちゃう。
洗礼。
蘇ってしまうもの。
明日からのために楽しく飲み食いしていると、
床が揺れ始めた。
おかしな揺れだ、しかも長い。
地震だ。
慌ててはいけない。
僕は淡々と食事を続けた。
でも、意外だった。
地震に慣れっこなはずの地元のお客さんが、ざわつき始めた。
しばらくしておさまった。
仕事柄ワオ君がすぐに調べた。
震度4だった。
きっと、311がフラッシュバックされちゃうんじゃないかなあ、と
ワオ君が言った。
また、ああなったらどうしよう。
ざわつかずにいられなくなる。
そう考えると、僕も思い直した。
僕等は今、東北にいるのだ。
いつ再び大地震が来てもおかしくない程の
余震が今も続いているのだ。
電車が止まり、停電し、帰れなくなる。
初日にして、早速洗礼を受けた気がしたんです。
つづく・・・
2012.04.24