浪日記③  撮影・庫田久露武/文・鎌田浩宮

一眼レフカメラで撮影しましたので、ぜひ、写真をクリックしてみて下さい。より大きく鮮明な画像でご覧になれます。

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浪くん、最近はめっきり食が細くなったけど、
毎朝僕を、出勤する時に限って、散歩に誘うね。

元気な証拠だよね!

僕が会社に行こうとすると、
開けた玄関から、
僕の目を盗んで、さあっと飛び出す。
そしてマンションの廊下の向こうで、
僕が追いかけてくるのを待ってるんだ。

まるで昔みたいだ。
君がいたずらっ子だった、
子供の頃のようだよ。
君は昔から、
茶目っ気がとってもあるんだよ。

4階から、3階、2階へと
らせんのように階段を降りて
子供たちのいる210号室へ行く時も、あるね。

そのまま1階に降りて、
土の匂いを嗅ぐ時も、あるね。

この間なんか、
何年ぶりだろう!
僕の肩に乗り、
マンションの外へ出て、
隣りのガソリンスタンドへ
灯油を買いに行ったね。

楽しかった?

昔は僕の肩に乗って
三軒茶屋中を闊歩したね。

会社なんて、
遅刻したって、いいんだよ。

僕が会社を遅刻しない事と、
浪くんが散歩して喜ぶ事と、
僕らにとって、
どちらが本当に大切な事かなんて、
僕は、分かっているからね。

浪くん、
元気な時は、
一緒に出勤前の散歩をして
冬の澄んだ空気を吸おうね。
そして春も。
その次の夏も、秋も、冬も・・・。

2011.03.11