第24話「キャバ嬢の結婚パーティーへ行くの巻 〜前編〜」

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「あー、キミキミ、さらいしゅうの土曜日は空けといてくれたまえ」

なんだよ、朝からエラそうに!

「なんかあんの?」

「そーなんだよ、アケチクン」

アケチクン?って意味わかんねー?

ギャル語もわからないけど、時々オッサンぽいこと急に言い出す

まあ、オッサン客相手のご商売ですから仕方ないのかもしれませんがね〜

「んで、なにあんの?再来週の土曜日?」

「いいところに気づいてくれた、実は結婚パーティーなんですよアケチクン」

「わかったから、そのアケチクンてのやめてくんない?」

「んで、だれの?」

「アケチクンぢゃあないよ、アケチクン」

「しつけーよ、もういい!」

さすがにうざい!

「ウソウソ、もういわないからぁ〜、でね、アゲハいるぢゃん!結婚すんだって」

アゲハって、たまに来る酒癖の悪いキャバトモね…

「ふーん、アイツ結婚するんだ、ていうか、相手いるんだ(笑)」

「イキナリ婚だよネ!イキナリ婚」

んな、イキナリ婚なんて知らないけど…

「なに?子供でも出来ちゃったってコト?」

「ちがうの、なんかねぇ、アゲハのドーキュー(同級生)のコの結婚式に出たら、無性に結婚したくなったらしくてさ、んで、元カレにいきなり電話してね“より戻してあげるから結婚しよう”っていったらしいの、だらねぇ〜、元カレって、アゲハにゾッコンだったもんで“イイヨ”っていったもんだから、結婚することになったのね、で、婚姻届ソッコーだして、式はメンドーだからやらなくて、パーティーだけやるんだって、ウエディングドレスはモチ着るんだけどね!オワカリ?」

まあ、なんとなく概要は把握はしたものの、なんだかめちゃくちゃな展開だな…

「ちなみにそのカレって何やってる人?」

「ン?プーだよ」

・・・

「大丈夫なん?それ?」

「まあ、なるようになるんじゃん!ということで、キミもそのパーティー参加ね!」

「なんか、気乗りしないな…アゲハだってオレそんなしゃべったことないし…」

明け方にカノジョとデロデロでやってきて、

騒いで飲んで、トイレに立てこもって、

スゲー顔してソファーで死んでるとこしか見たことないモンなあ〜

「いいの、アゲハの御指名だから、いくの!」

たく、御指名ってさ、オレはキャバ嬢じゃねーぞまったく…

「てか、いちおー、キミ、サラリーマンだし見た目マトモだしってことでね!ついでに友人代表スピーチ頼まれてるんでそこんとこヨロシクね!」

「はぁ〜?スピーチ?オマエがだろ?オレの友人じゃないし、新婦の友人スピーチっていえば、フツー女友達だぞ!」

「てか、そういう場で話すの苦手だし、アタシの代わりってことでヨロ!」

「ヨロぢゃねーよ、ヨロぢゃ!」

ホントコイツら少しというか、かなりオカシイ!

「ということで、一件落着ね、アタシャ準備で忙しいからたのみましたよぉ〜!」

なんだか、かなりメチャクチャなんですけど…

しかも、百歩譲って参加するのはいいけど、スピーチって、何話すのオレ?

生い立ちなんて知らないし、

思い出っていってもトイレで立てこもってることしかないし…

はあ、すんごく気が重いんですけど…

結婚パーティーまであと14日。苦悩の日々は続く

この続きは次号で!

2011.02.24