- 2015.11.06:ヤツのオデコに一文字くれろ!第18回「新井英雄」
- 2015.07.15:ヤツのオデコに一文字くれろ!第17回「ピーター・バラカン」
- 2015.06.17:ヤツのオデコに一文字くれろ!第16回「愛川欽也」
- 2015.06.12:ヤツのオデコに一文字くれろ!第15回「安倍晋三」
- 2014.04.23:ヤツのオデコに一文字くれろ!第14回「沢田研二」
- 2014.04.02:ヤツのオデコに一文字くれろ!第13回「田中好子」
- 2014.03.31:ヤツのオデコに一文字くれろ!第12回「百田尚樹」
- 2014.03.26:ヤツのオデコに一文字くれろ!第11回「籾井勝人」
- 2013.10.16:ヤツのオデコに一文字くれろ!第10回「滝川クリステル」
- 2013.10.07:ヤツのオデコに一文字くれろ!第9回「ウラディミール・バレンティン」
サブ・コンテンツ
- 2023.03.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:[Radio] walkin’ to the beat everlasting③
ヤツのオデコに一文字くれろ!第7回「川澄奈穂美」
「他」:鎌田浩宮
この人、本当に好きなんだよなあ。
他のなでしこの皆も大好きで、
ブログもうんと読むんだけど、
哲学的に自己を分析する人、
悩みや苦しみを正直に吐露する人、
色んななでしこがいるんだけど、
なほみさん、徹底して、自己を語りません。
チミは、見たこと、あっかい?
彼女のブログ、すごいんよ。
ブログは毎日毎回
「チームメートと一緒に夕食を食べて楽しかった!」
「チームメートのこんな一言が面白かった!」
とか、そんなのばっかし。
写真も、自分の顔は決して載せず、
一緒にいた仲間の笑顔ばかり載せてます。
しどい時なんて、
自分の誕生日にもらった帽子さえ
自分は被らず、チームメートに被せて写真に載せ
「可愛いでしょ!」
とくるんです。
彼女の場合、技術はもとよりその愛らしいルックスから
ワールドカップ以降、急激にメディア露出を求められているので
それに対するヒソヤカな抵抗、
というのもあるかも知れないけれど。
そこにシンクロさせるほど厚かましくはないけど、僕も、そうです。
ツイッターやフェイスブックやミクシィで
自分の身の上の悩み苦しみなどを書くことは
ほぼ、ないです。
自分の身の上話を書いても
人はなんも面白くも興味もないだろう
と思っちゃうんです。
もちのろん、僕なんぞは
メディア露出を求められている訳でもありません。
試合でも、
去年までは味方からパスをもらい、自身でゴールを決める役だったのが
今年は監督の方針で、自分がパスを出す方に変わった。
選手によってはその苦悩をブログに書いてもよさそうだけど、
彼女は、喜んでチームのために徹する。
そんな彼女を端的に表している発言があって
「試合に負けて、悔しくて泣くと言うことはない。
泣いて技術的に向上するのであればそうするけれど
そうはならないので泣いたりはしない」
と。
これ、すごい。
彼女は常に、他者を見守り、
彼女は常に、他の視点を見つめている。
そこで彼女のオデコには称賛を込めて
「他」
の一文字、くれてやります。
ただ、
彼女の発言を含め
何らかのプロフェッショナルを極めた人はよく言うんだけど
「努力し続ければ夢はかなう」
ってのは、ヴェ?と思ってしまうんです。
僕は、20代の時に音楽家を目指し無理をしすぎて
病気をこじらせたことがあるんですね。
その時の医師の診断が、
「今後、君は頑張ってはいけない。無理をしてはいけない」
というもので、努力することを禁じられちゃったんです。
以降、サラリーマンでくいぶちを稼ぎながら
音楽をするようになったんです。
僕の例は極端かも知れないけれど
人というのは大なり小なり
夢から挫折し、頑張ることを止めてからのジンセイのほうが
明らかに長いんだよなあ。
だから僕らは、つげ義春原作・竹中直人監督「無能の人」の台詞
「頑張らないって、いいんだけどなあ…」
(台詞、間違ってたらごめんです)
に、強くうなづいちゃうんだと思う。
先日、阪神タイガースの城島捕手が引退した時に
「今回の壁は乗り越えられなかった」
と言ったように、努力してもかなわない夢はあるし、
その後の「頑張ることを禁じられたジンセイ」
の方が、遙かに長かったりする。
そして「その後」を持てあまし、
あの偉大な江夏豊さえも、
ドラッグに、手を染めた。
…だから、僕らの大好きな、愛らしくてたまんないなほみさんが、
そんな「その後」な人々にも届く
「他」の言葉を発してくれるようになるといいな、
という思いも込めつつ、ね!