“Endless Transit” 第2便 「旅、それは『無駄』である。」

新連載 “Endless Transit ・・・今日もまた経由地。”、第2回をお届けします。
弥生が綴る、様々な意味合いでの「旅」にまつわるお話。
それではどうぞお読み下さい・・・ボン・ボヤージュ!

 

毎日寒いすね。ズズー(←鼻が出る)
ウチはエアコンがないので、起床後30分は部屋の中でも息白いっす。

ところで寒くなると、思い出すのは大橋巨泉ですね。

私の人生のゴールは大橋巨泉です。

※大橋巨泉は南半球に店や家を持っており、春夏は日本で、
秋冬は南半球に移って、1年中春or夏な暮らしをしてるんですわ。グレイト!

・・・・と、全然関係のないマクラを振ったところで。

今回は、私の周りの友人にウケのいい昨年のネパール旅行の土産話から一席。

(旅コラムとか言っといて、たんなるオッサンの説教と化した第1回に反省し、
純粋な旅行の話を書こうと筆を(キーボードを)とりました)。

—–

わたくしごとですが、登山が趣味です。

最近は雪山やクライミングなどのデンジャーゾーンに目覚めてしまったので、
もはや「生きていく事に興味がないヤツ」という烙印を押されてる体なのですが、
全然そんなことはなく、少なくとも100歳まではしぶとく生き残ってやろうと思っています。

そんなわけで、
昨夏、私がネパールに出向いたのもトレッキングが目的でした。

ネパールのトレッキングは原則として現地ガイドを付けることになっていて、
それは数日間ベッタリと一緒にいる人になるので、相性がわりと大事です。

でも私はシーズンオフの雨季に行ったので、手の空いてる人が誰かいるだろー
くらいな感じで現地のGH(ゲストハウス)のオーナーに頼んで、
前日適当に見繕って(笑)もらいました。

それが、ガイドのMansingさんとの出会い。

※だいたい、悪天候で国内線が飛ばなかったので何度も予定が変わったりしたし、事前にしっかり予定を決めておくということ自体が不可能な国なのだ。

私と友人とMansingさんの3人組。
日本語7:英語3というチャンポンコミュニケーションで、
基本的にはきさくな人なんだけど、最初は当然お互い初対面なわけで、
なんとなく互いをさぐり合いながらの会話。

4日間の行程中、当然ながら彼はガイドとしての役割を十分に果たしてくれたわけですが、
それはあくまで「ガイドとお客」という関係。
中には面倒なタイプのお客もいるんだろうし、
当然といえば当然なんだけど、どこかに「ビジネス」なモードがあるわけです。

もちろん、それが不満というんじゃなくて、それでいいと思ってた。

そんな雰囲気の中迎えた最終日、標高3,000m強のGHで、
私達は深いガスのために丸1日足止めをくらいました。

周囲はごく小さな村。30分もあれば、村のすべてが見れてしまうサイズ。
しかもシーズンオフで、宿泊客は私達以外にクロアチアから来たという
女性ひとり(しかもこの女性は深い霧の中出発していった)。
外は濃い霧と雨で何も見えない。

・・・・・要は。 やることナイわけですよ(笑

できる事といえば、寝るか、酒飲むか、話するかくらい。

食堂で意味もなく何度も窓を覗いたり、朝からロクシー(地元のどぶろく)を
なめたり、昼寝してみたり、絵を描いてみたり・・・。

見るからに「退屈」そうな風情。

でも。
実は。

今回のこの旅で、私が最も印象に残っているのが、実はこの1日なんですよ。

やることないのはガイドも同じ。

そんなわけで、居酒屋的どーでもいい話をし続けていたわけなのですが、
話しているうちに、思いがけない共通点を発見したり、
彼の出身部族にまつわる面白いエピソードが出てきたり。。。

複雑な会話はそんなにできなくても、その1日で、
Mansingさんとの距離は確実に縮まった実感がありました。
その後のトレッキングが、格段に楽しいものになったのは言うまでもありません。

Mansingさんとの交流は、帰国した今もメールで続いています。

・・・・あ、残念ながらオッサンなので、色っぽい話にはならないんですけどね(笑

日本にはない様々な文化を見に行くのも
海外旅行の醍醐味ではあるけれど、実は私は、旅をすると

・世界には色々な「違い」がある。

と感じるんじゃなくて、むしろ

・「なーんだ。みんな同じじゃん」。

と、思うことのほうが圧倒的に多い。

「人の営み」や「あるべき姿」は、多様なようで、実はそう種類が多くはない事を、
旅の回数を重ねるたびに痛烈に感じるから不思議です。

世の中がどんどん合理的になり、スピードが加速度的に早まっている今、
「旅」だけは、まさに「無駄」の中に本質があると言ってもいい。

でも実は、「無駄を楽しむ」って実は結構難しくて、
訓練が必要じゃないかと思うんスよね。

だから、

「テニスの予定をしていた週末に雨が降った」
「新品の洋服を、買ったその日に汚した」
「後輩の仕事がミスばかり・・・」

そんなことにイラっとなっちゃう人は、
ぜひとも、「リラックスのために」旅に行くのではなく、
「無駄を楽しむトレーニングのために」旅に出かけて欲しいと思います。

ストレス発散の旅は一瞬の癒しだけど、
トレーニングの結果は、旅の後まで役立っちゃうんですよ! まー便利☆

【Photo Collection】—————————————————————–

世界一の山に向かって叫ぶわたくし。
その壮大な景色の中で叫ぶ壮大なメッセージは、

「山が好き! 酒が好き!」

素直すぎるこのメッセージTシャツ、超気に入ってます。

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2011.01.28