最後・舞天(ブーテン)デビュー5周年記念ライヴのご案内

文・鎌田浩宮

2
0
1
0

いやあ、2010年は、忙しかったなやあ。

年に5回ライヴをやるっつーことは、
2~3カ月に1回のの割合でライヴをやるわけだけんども
毎回来てくれる常連のお客さんが飽きないように
毎回、全曲、演奏する曲目を変えるのだよ。

だもんで、1つライヴが終わると、
新たにストックの中から6ほど曲選び、
練習に入る。
新曲も1曲加えたりするので
練習には相当の時間がかかる。

片や一方では、仕事もしているわけで。

これが有名なミュージシャンになると、
全国ツアーとか言ってるけれども
要は、同じ曲をずっと数か月歌い続ければいいわけで
羨ましいのなんのって。

 

2
0
1
1

ああ、2010年は根を詰め過ぎたなや、
2011年はちょっと間隔を開けてやろうなや、
なんてメンバー3人でくっちゃべってたわけです。

そこへ、
3月11日が、
来た。

家が被災したとか、
クソッタレ会社ともめて失職の羽目に遭ったとか、
そんな出来事もあったけれど、
それ以上の、ひどいことが起きた。

最愛の息子、愛猫・浪が、震災で病状が悪化し
最悪で1~2週間の命と宣告されたんです。

そこから、12月2日に浪が旅立つまで
24時間体制の看病生活が始まりました。

山さんとタカツカさんには
外出さえ難しい状態になったので、
バンド活動は一時休止にさせてね
と納得してもらって。

特にタカツカさんは、
僕が看病で煮詰まったりしていると
自分の仕事が忙しいのに
ひょっとしたら徹夜明けかも知れないのに
三軒茶屋まで頻繁に来てくれて。
その時の感謝、ずっと忘れない。

そして浪は灰になり、
僕も悲しみと喪失感で、灰になりました。

 

2
0
1
2

僕は、浪が若く、元気に生きている頃から
浪だけに歌ってあげていた鼻歌のようなメロディーや
僕の頭の中で映画音楽のように鳴っていた「浪のテーマ」を
1つの曲にしたいと思っていた。
これは相当な労力と集中力が必要な作曲で
実現は難しいかな、と思ってたんです。

浪が旅立ち、
何をする気も起こらなかった。
ところが、
浪を供養したい、
浪のために何かしたい、
と思った時、
僕は文章でもなく
映像でもなく
ましてや写真や絵画でもなく
音楽を浪に捧げたい、と思ったのだ。

そうして19分39秒からなるインストゥルメンタル曲
「lifetime of Namii」
を作曲、3月25日に完成。
5月1日、発売開始。
(販売は、エプスタのこちらより)
その音楽は、瑞々しい生命力に満ち溢れ、
僕の作曲人生の中でも
最高傑作になったな、と自負しています。

その作業の中で、とっても驚いたのが
自分が究極的な状況に置かれた時にどうするかっちゅうと、
音楽を創るんだなあ、
と気付かされたこと。

自分にとって、音楽がこんなに重要だったとは。

 

まだ、心は、気力みなぎる状態ではなかった。
でも、また山中清紫郎とタカツカアキオと舞天で
音を出してみようかな、と思った。
ひょっとしたら、2人に会いたい、
会って、僕の孤独と喪失を慰めてもらいたい、
それが大きかっただけだった
のかも知れないけれど。

5月20日、僕の家にて、3人で練習を始める。
タカツカさんは、浪の遺骨が入った箱に
手を合わせてくれた。
山さんは、猫の缶詰をお供えに持って来てくれた。

喉の筋肉と、腹筋の衰えが著しかった。
長いブランクを埋めるかのように
1つ1つの音を愛おしんだ。
思ったより、楽しくできた。
「また、定期的に練習して行こうね」
3人で、浪に向かって、約束の献杯をした。

それと前後して、実は今泉“いまこ”見海から
5月5日、舞天に入りたいと打診があったのだ。

彼とは「キャマダの、ジデン。」に記してある通り
小学3年生からのつきあいであり、
中学3年から一緒にバンドを始めた仲。
しかし20代の時に、
様々な食い違いで、
彼とはバンド活動をやめている。

だから、不安があった。
でも、底の方まで落ち込んでいる僕へ
舞天に参加したいと言ってくれたこと
に、感謝しないといけない
と思った。

山さんとタカツカさんに、相談した。
長年に至る今までの鉄壁のトライアングルが
スクエアになる、不安と期待。

2人は、快く受け入れてくれた。
6月24日、ベーシストとして今泉見海、加入。

これで、ドラムスが必要になった。

んなもんで僕が、
スネアをブラシで叩きながら歌っていたのだが
あまりにも僕がヘッタクソで
ちゃんとしたドラマーを入れようとなった。

そこで、
タカツカアキオの会社バンド
「千鳥ヶ淵ブルースショー」より
11月10日、TAKAHIROが加入。

※「千鳥ヶ淵ブルースショー」の映像。勿論タカツカアキオも映ってるぞ。

TAKAHIROは僕らよりかなり若いし
彼が本来叩きたい音楽のジャンルとは異なるのに
(プログレッシブ・メタルとかが好みらしい)
よくぞ加入を決意してくれた。

そんな彼のドラミングはユニークで
かなり新しい風を吹き込んでくれた。

この時、既に、
今回のライヴの日程が決まっていたため
ギリギリのタイミングでの加入となった。
これ以上遅かったら、
ライヴには間に合わなかっただろう。

5人編成となり、
バンドの音は、見違えてしまった。

元々僕自身、
舞天の曲をドラムス、ベースを加えた編成で演りたい
と思っていたんだけんども、
こんなによくなるとは、
思わなんだ。

 

2
0
1
3

本番まであと、数日。
場数を多く踏んだ僕は
緊張とは無縁だったのに
今回は、もう今から、緊張、です。

2年間のブランク、
311、
そして何よりも、
浪の死を乗り越えて、
ということが、そうさせるんだぜ。

ぜひ、来て下さい。
ライヴというものは、たった1度のもの。
もう1度同じものは、できない。
そしてそれ以上に、
今回は、今回だけのライヴになります。

その日は、皆でね。

舞天 デビュー5周年記念ライヴ

【日程】 2013年2月23日(土曜)
【会場】 下北沢モナ・レコード
【住所】 東京都世田谷区北沢2-13-5 伊奈ビル2F&3F
【時間】 open 18:00 / start 18:30
【料金】 前売¥2000 / 当日¥2300
入場の際、ドリンク代として¥500をいただいております。ごめんね。

下北沢駅(小田急線、京王井の頭線)南口、徒歩1分。
マクドナルドを左手に緩やかな坂道を下ってください。
黄色い看板のラーメン屋「共楽」のあるビルの、右奥にある階段の3階です。

詳しい地図はこちらをクリック

TEL: 03-5787-3326
FAX: 03-5787-3327
info@mona-records.com

 

チケット予約について

mona recordsでは前売チケットを電話、インターネット、店頭販売にて行っております。
*電話・インターネットによるチケットのご予約はお一人様2枚までとさせていただきます。
*前売チケットの予約・販売は公演の1ヶ月前から前日までです。

【電話予約】 03-5787-3326 / 16:00~24:00まで
【店頭予約】 12:00~24:00まで
【インターネット】 http://www.mona-records.com/live/2013/02/live_022318.php


2013.02.19