応募作品#7 連れ立って歩く

編集・鎌田浩宮

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊11周年記念特別事業
「第2回エプスタ随筆大賞」 スズキスキーが提案した
9つのテーマから選び
随筆を、書く。
大賞決定前に、応募作品を1作ずつ掲載していきます。


7作目は、新たなる応募者が。
SNSを通して出会った、もげおさんによる随筆です。
さてさて、どのような随筆をお書きになる方なのか…?
お楽しみは、これからです。

題・連れ立って歩く
著・もげお
テーマ・犬にとってリードとは何なのか

「お散歩行こうか?」
愛犬のすずにそう声をかけると私をじっと見つめ、立ち上がるとストレッチをして散歩に行く準備を始める。

散歩コースはもっぱら裏にある土手。外に出て数十歩ほど歩くとある。
他のコースも行きたいが、走っている車が怖いすずが安心して歩けるのはそこしかないのだ。
東西にずっと続く土手。
西に向かって歩くと左側にはしばらく家が立ち並んでいるが、5分ほどすると土手を下りられる坂道が出て来る所を境に視界が広がる。
右側は河原に生い茂る藪と林と畑。左側は田んぼ。
だだっ広い空間に山に向かって横たわる一本の道。
ポツリポツリと健康のために毎日歩いている人達はいるが、一回の散歩で5人以上すれ違えば多いくらいだ。
気ままに匂いを嗅がせて、小走りになっり止まったり。

ごくごくたまにだが、タヌキやキツネ、イタチ、モグラ、ネズミなどと出くわす事がある。キジはしょっちゅう出会う。
そんな時はすずの本能が刺激されるのか、追いかけていってしまうので人間より気をつけないといけない。

とは言え、すずは臆病で慎重な性格なので滅多な事で何処かに行ったりする事はない。
朝、子供達を見送る時や、二軒隣のお爺さんが会いに来た時などはリードも付けずに外に出るが、何処にも行かず家の前までしか行かないのである。
お利口と言うより、どこまでも家族といないとダメなのである。

寒い日も暑い日も散歩は正直面倒くさいけど、この貴重な時間を噛み締めながらすずと何気ない道を歩く喜びを思うと、嬉しそうに玄関で待っているすずの首輪にリードを付けて家を出るのは楽しい。

エプスタインズ創刊11周年記念特別事業
第2回エプスタ随筆大賞
応募締切:2021年11月23日(祝・火)のはずだったがまだ募集中
ジャンル:随筆
形式:文字、点字
枚数:制限なし
賞品:福島県相馬市の新米及び新米酒
選考委員:後日発表
発表:2021年12月25日(土)
応募先:hironomiya.kamada☆gmail.com ☆を@に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

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2021.12.22