• 2010.05.21：第1便「そんなものは、なかった。」
• 2010.07.29：第2便「我、遂に発見せり。」
• 2010.08.05：第3便｢没個性と、荘厳。｣
• 2010.08.18：第4便｢日本で1番、ナウい区の。｣
• 2010.08.30：読者アンケートとゆーのを、実施しまして。
• 2010.09.24：第5便「SOSな落書き。」
• 2010.10.22：第6便「サヴァイヴァルシチー、トシマ。」
• 2011.01.25：第７便「大阪は、ふけない。」
• 2011.01.31：スピンオフ企画「カメラ＝万年筆①　すいかサイダー」
• 2011.02.08：スピンオフ企画｢カメラ＝万年筆②　W山内｣

第2便「我、遂に発見せり。」

鳩山総理が辞任する数日前、年1度の胃がん検診に行った。
バリウムを飲む前に、胃を膨らますための、発泡性の膨張剤を飲んだ。
しかしいつまで経っても、検査士が怪訝そーなのだ。
｢すいません、もう1度膨張剤を飲んでください。｣
えっ？
何度となく胃がん検診を受けてきたが、こんな事は初めてだった。
恐竜並みにのろい私の脳が、ぽわんぽわんぽわ～んと考える。
【ここ数年ですごく太った→食欲がギャル曽根→胃がどえりゃあでかくなった→膨張剤が効かない】
｢暑いですか？冷房強めましょうか？｣
検査士さんうるさい、これは汗じゃない、涙だ、ナ・ミ・ダ…。

め、めげずに、今日もトイレだ！

新緑まぶしい某公立図書館。
この図書館には思い出がある。小学生の頃SF小説が大好きだった私は、学校の図書室にあるSF小説は、4年生になった時点で全て完読してしまっていたのよ。そこで新しい遊びを思いついた。私は友達を沢山連れて、皆で自転車こいで区内の図書館を全て巡り、その図書館の貸出券を作ってもらう！それが大きな楽しみになった。
オトナでも、区内の端から端まで自転車で廻るのは息が上がる事だが、小さな冒険心も相まって、時にはチェーンが外れようと、お構いなしに走り続けるのだった。おー、早熟小学生。

そんなある時、遂に自宅の近くにも新しい図書館が建ったのだ。それが、ここなんです。
その後、音楽にも興味を持ち出し、中学2年生だというのに岡林信康のカセットテープを借りて聴いたり。♪今日の～仕事はつらかった♪後は～焼酎～あおるだけ。なんだろ、早熟すぎるだろ。
そしてオトナになった今は、そーよ、トイレを借りるんである！

おいおいセニョリータ、いまどきの輩は、トイレで飲食するんかい。
あ、それで思い出した。近頃の大学生は、学食で1人で食事するのが恥ずかしくて、トイレで飯を食うそうで。カワイソウなヤツらだなあ。それじゃポテトと間違えてチ○ポ食っちまうだろうが。
あ、何書いてるんだろうか、私。
私なんか土方やってた時、冬は寒いから、作業車の中で弁当を食うんだ。あれはあれでひもじかったけど、トイレで飯は馬鹿かろう。いつも人と群れてたって、強くはなれねえぞ。こちとら強くなったかならずか判らんが、今やトイレの落書き探しだ。
今日も見つからないのかしら。悲しいわぁ。汗ばむわぁ。･･･と思いきや。
あった。遂に、あった！

タイルの溝の目地。えらい細い所に、ボールペンで。2箇所に同じ6桁の数字。

「210826」

この図書館の貸出券の番号とは桁数が違うし、もちろんこの地域の郵便番号や電話番号とも桁数が異なる。
いきなりだ。いきなり不可解なものに出遭ったのだ。ツインピークスだ。ブラックロッジへの入り口だ。
これは暗号で、このトイレを共有し、別の者へこの暗号を伝達しているのか。
んがっ？

すぐ近くに、別の数字。

「130301」

不可思議だ。こんなに落書きしづらい所に。

先の「210826」の上に、「510　13」。今度は5桁だ。誰か解読できる人はいないか。いたら教えてほしい。

…、まさかとは思うが、こんなことだったらどーしよー。
私が子供の頃の自宅の電話番号は、421-1817だったが、それを同級生には
｢ジョニーイヤイヤ｣
と覚えると便利だ、と親切に教えてあげていた。
「いや、それなら『イヤイナ』だろう？逆に覚えにくいぞ」
とゆーパープリンもいたが、これよりパーペキな語呂合わせがあるものかと殴り倒そうとすると、すんなり分かってくれたものだった。
そう、何かの語呂合わせ…？
210826→日当は26円
510　13→ファイト！ISSA

DA　PAMPのISSAが、低賃金にあえいでいる。それを励ますファン。そこにすかさず

130301→ISSA、おっさん多いね！

と最近のDA　PAMPメンバー年齢構成をツッコむKYな他のファン。

ファンの皆よ、分かってほしいぜ、三十路過ぎればISSAだってジンセイ考えるんだ、このまんまでいいのか、なんくるなるさ、でーじオッケーか。私だって30過ぎた時ゃ悩んだぞ、悩んだ挙句がトイレ探しだぞ。

と思いつつ、なんとこのトイレ、打ち出の小槌のよーに、さらに落書きが見つかるのよお立会い。

遂に、遂に、である。数字以外の落書き発見せり。
フツー、こーゆーところには、ヒワイな落書きが多いもんである。
しかし、この落書きは、奥ゆかしい。詩的でもある。翻訳しよう。

「より少ない愛」、もしくは、｢愛に無縁の｣。

深い。この図書館、深い。置いてある書物よりも、深いのか。私のジンセイのよーか。嗚呼、次々とページをめくるように、私、何十分このトイレにいるのか。
あ、また見つけた。

なんだなんだ、｢黒猫｣って。ブンガクの香りもしないわけじゃないが、暴走族の名前だったらどーする。それとも宅急便、か？おい！オチが弱いぞ。ガッカリ八兵衛。ねづっちです！

いい加減、もう帰ろう。ブラックロッジはいろんな意味で深い。トイレの臭いで麻痺マヒナスターズだ。鼻も、脳も、何もかも。ただ、ISSAには、年配者の今の境遇として、メッセージを贈らせてもらうぜ。

0312783181→おっさんもいつも悩みいっぱい

つづく

2010.07.29