第五夜:「髪を結うのもめんどくせぇ・・・」

diary_005

どーも。若女将のけい子(仮称)です。
アルファルトも融けるよな日々を、墓石を滑走するナメクジの如く
生きております。
あ、彼らは滑ってはいないのかな? どうなんです詳しい人?

皆様は、若女将の生態(いや擬態か)ご存知でしょうか?
今は色々なタイプの旅館やホテルがありますから、若女将の
スタイルといっても様々でしょう。
しかしウチでは着物に、髪を結い上げる事が決まりでございまして。
朝もはよからせっせと着物を纏い、長い髪をトキトキ、耳を少し
隠しつつ、うなじが見えるように長い髪をアップ。
そして家宝(なのか?)の髪留めやらかんざしやらで止める。
これがまだ一番楽。

それでも変身メンドクセエーーー!!!

仲居達とは違い、経営側は夜遅くまで色々と雑務があります。
まぁ私は確認仕事がメインなのですけど。
そしてもちろん朝も早い。 お客様よりも先に起きているのが鉄則。
そんなですからゆっくりお酒を飲む、なあんてタイミングは
見当たらないのです。 いや、飲むけど! めいいっぱい飲むけど!
雇われ若女将ではないですし、ボスの大女将がババァ・・いや、
もうずいぶんお年を召したのでどうしても朝から深夜まで私が
動き回らなくてはいけなく、休日も有って無いような暮らしなのです。
そんな毎日ではどーしても「楽をしたい!」「少しでも楽をしたい!!」
となります。 そうなると一番先に楽したくなるのが髪。
数年前のある夏の暑い日、もうイヤでイヤで仕方なくなり、
思い切ってボブくらいまで短くしてみた事がありました。

んはああ~♪ 気持ちええわ~♪ 楽やわ~♪

はい、大女将にどしかられました・・・。
それはもうウイグル獄長のような形相で・・・。
別にイイぢゃん!とはアタシが刃向かえるはずもなく・・・。
あれから何年経ちましたかね・・・。
しかしこんな灼熱地獄にはどうしても髪を切りたくなります。
いや、むしろ丸坊主にしたい!!!

東京時代は色んな髪型をしておりました。
したことのないヘアスタイルは無いくらいに。
音楽(ちょいパンクなバンド)をやっていた事も関係して、
髪が黒かった覚えもあまりありません。
それでも周りが音楽バカばかりだったので、
凄い髪型にまみれておりました。 私なんて可愛いもので。
今となっては考えられないほどの「髪の自由」があそこにはありました。
最高で「ほぼ、モヒカン」までやりました。
ええ、その写真はすべて焼却いたしました。
息子には見せられないので・・・。
あの頃バンドをやっていた友人たちも寄る年波には抗えないようで、
ライオンのようなロンゲの彼も、毎度スプレー缶一本潰すほど髪を
立てていたアイツも、七色に輝いていたレフティのベーシストも、
彼らのブログを見る限り、激しくハゲ散らかしています。
ある意味パンク魂は亡くしていません。
多分、頭皮に絶大なダメージを負ったのでしょうね。
まだボーボーで良かったアタシ・・・。

ああ、暑い・・・じっとして書いてらんない!!!
もおおおおおやだああああああ!!!丸坊主にしたい!!!
ゆっくり寝たい! 飲みたい! 旅立ちたい!
と、溜まりに溜まった苛立ちを、なんたる事か、
今朝のミーティングで仲居たちに言ってしまいました。

「・・・もうあたし、丸坊主にしていい?」

誰も止めようとはしませんでした・・・。
なんだよオマエら・・・なんだよココ・・・。
若女将が丸坊主って、この旅館はカサンドラかよ!?
 
 
 
【カサンドラ】
「北斗の拳」に登場する凶悪犯がいっぱいいて、
なんかよろしくやってる監獄街。 ウイグル獄長がボス。
 
 
 

2010.08.25