審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
遂に発表します。

 

この度は、中央にいる者ではなく、首都にいる者でもない、地方に住む人で審査をしてもらおう!との明確な意図の下、スズキスキー・高橋紅・高橋基の3名に審査を依頼。

しかしながら、高橋紅・基夫婦の住む秋田県横手市がどえらいことになり、クラウドファンディング「地元秋田の仲間とともに、クッキングアップルの郷をまもりたい!」が開始された。僕も寄付をした。しかし、ただお金を支援するんではなく、秋田を味わえないか、秋田へ踏み込めないか。そこで、なるべく毎日秋田のラジオを聴くことにした。

 

秋田に、踏み込む。

 

中でも注目している、ABS秋田放送「歌謡曲ふれあい電話リクエスト」(毎週月曜夜6時20分から夜9時まで。長いぞ)。昨晩も、風呂とばんめしの時間に聴いた。

聴取者から電話なりメールなり、事前にリクエストがあったから本番に司会者が電話をするわけだが、これがまあまあの確率で、電話に出ない。つながったらつながったで「迷惑電話防止のためこの会話は録音されます」と自動アナウンスが入る。ご高齢で、オレオレ詐欺対策をしているのだ。留守電の場合は、司会者が律儀に番組の旨を吹きこんでから切る。

やっと電話がつながると、司会者が相手の名前を間違えることがある。電の向こうが呆けてしまい、無音になる。会話が始まる。若い人もなまっているが、高齢者はそれが強く、何を喋っているのか分からない。司会者もつられて「んだんだ」となまる。そもそも電話の向こうの聴取者が、誰も緊張してない。敷居の高低が、東京の番組と違う。

 

横手市・クッキングアップル農家の方が撮影

 

AM電波のラジオ放送でこれ以上なまっているのは「暁でーびる」(ROKラジオ沖縄)くらいじゃなかろうか。「暁でーびる」はあらかじめ、全ての会話をウチナーグチで話す番組という主旨を掲げ、それが名物となり全国でも人気があるんだが、この番組はそれを主旨に掲げているわけではない。電リクという、今ではあまりなくなったスタイルを標榜する番組だ。

リクエストはほとんど演歌なんだが、その曲は置いてないのよねえと司会者が拒否する場合も多い。CDやレコード、置いてないのか。本当にリクエスト番組か。本当にラジオ局か。

男はおおむね男の歌手の演歌をリクエストする。「北酒場」のような明るい演歌じゃない。マイナーコードの曲ばかりで、どんなに元気でも気が滅入ってくる。俺なんぞ独り暮らしの初老で独りでめし作って酒吞んでるので、演歌が染みすぎてチャンネル変えたくなる。

演歌じゃないが暗いなと思うと、アリスだった。菅田将暉がかかったので驚くと、やたら歌詞の暗いフォーク調だ。最後から2番目にかかったのは沢田知可子「会いたい」だぞ。しかし曲が終わると聴取者とのお喋りに戻る。ここまで聴いたら意地なので、切るに切れない。

 

 

しまいにお礼のプレゼント(3点の中から選べる。細川レコード店で売っている鏡五郎「男富士」のCDか、秋田銘菓・金萬か、ボルダー潟の湯の入浴券10枚)を拒否する(この3点さえ聴き取りにくく、ラジコで繰り返し再生して書いている)。ないしは、テープ下さいとか言う。

そんなにプレゼント魅力ないのか。カセットテープ好きなんて逆に若者か。コーネリアスのPARCOコラボカセットか。確かに県内どこも豪雪なので、配送困難を慮っている人もいるんだが、そうでなく本当にいらなそうな人もいるぞ。

電話切る際、司会者に「帰り気をつけてね」と言う。聴取者は、司会者の足を心配しているのだ。豪雪、車での帰宅が困難なのだ。こうして僕は、秋田を味わえ、踏み込めたのであった。

なお、前述したクラウドファンディングですが、集まったお金は豪雪で損害を受けた農業施設の復旧と、折損したりんごの代替苗木購入などにも充てられます。
https://readyfor.jp/projects/cookingapple
ご支援・情報拡散などいただけたら、すんごく嬉しいです。横手を応援しようじゃないか。よろしくお願いします! (文責・鎌田浩宮)

 

https://radiko.jp/#!/ts/ABS/20210111190000
このURLは「歌謡曲ふれあい電話リクエスト」
2020年1月11日放送分のrajikoです。
1月18日まで聴取可能です。

 

 

2人目の審査員は、高橋紅。

 

さて、「審査結果発表 case1」で発表されたスズキスキーの講評を読み、随筆応募者はどう感じたか。以下、列記します。

 

とても細やかでボリューミーなレビューで、何より読みものとして楽しく読ませていただきました!(どうやらスズキさんによるとわたしは死んでいるらしい)しかもなかなかディープなテクノ系の音楽家とは…!面白かったです。御礼をお伝えください。

 

講評読みました!キレッキレですね。すごい、この人!面白い!頭いい!知らないことばがいっぱいで、調べてみます。ほかの2人の講評も楽しみです!

 

大寒波すごいですよね。随筆のことは忘れてたくらい過去になっていますが、スズキスキーさんは辛口ですね。正直ですね。10周年の企画だし、本気の文筆家とか作家になりたい人が応募するでもない、素人が出して良い、もう少し気楽な随筆選考と思っていたから、こんな厳しい審査があるとは…。

 

 

ちなみに、スズキスキーがテクノ系のミュージシャンだと知っていた応募者はいなかった。

そして今回は、2人目の審査員・高橋紅(くれない)による講評なのだが、夫の高橋基(もとい)より、なんと連絡が入った。12月2日のことだ。元を正せば、応募締切であった10月からこの時期にかけて、県内はりんごの収穫・出荷で忙しい。妻は仕事に目処がつかない。家内から一任され、自分が妻の分も審査を行うとのことだった。

ガーン。この時編集部は、スズキスキーからの講評を既に受け取っていた。前述の通り、スズキスキーは高橋夫妻に審査を一任すると記していた。審査結果に影響されてはいけないので、その時点で高橋夫妻には伏せていたのだが、まさか審査員が2名も降板するとは…!

高橋基本人は知らなかったが、この時点で審査は彼1人で行うことになった。そのことを伝えようとした時に、クラウドファンディングの起ち上げ・未曾有の大寒波が起こり、彼は多忙を極めた。こちらも、連絡を控えざるを得なくなった。

クラウドファンディングも大寒波も終わってはいないのだが、先日ようやく彼と連絡を取ることができ、諸々を了解してもらえた。次号「case3」で高橋基の審査を発表するが、それが即、最終審査結果となります。乞う、ご期待下さいませ。

(次回「審査結果発表 case3」へ続きます)

 

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info☆epstein-s.net ☆を@に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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2021.01.12