審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
遂に発表します。

 

素晴らしき随筆を送って下さった方々、3名の審査員、欠かせない共同企画製作者・名無シーさん、そしてお読みいただき温かく見守って下さった読者の皆様のおかげで、この企画が実現し、予想外に時間がかかったものの、ようやく大賞発表までにたどり着きました。心の底から、お礼を申し上げます。

こんなにわくわくする楽しいイヴェントは、久しぶりでした。色んなことがある現在でも、この企画に取り掛かりわちゃわちゃしている時は、楽しくってたまりませんでした。

随筆というすこぶる古い媒体を使って、新しい試みをする。さらには、アクセス数だのSEOだの「映え」だのから解放、もしくは追放される悦楽。

ここまで至ったのは何よりも、素晴らしい作品が集まったおかげです。どの随筆も、本当に豊かでした。続きを読みたくさえなりました。年賀状を書く人が増えたそうで。気持ちが安らぐからだそうで。じゃあ次は随筆っしょ。ほんだば随筆っしょ。安らぐもなんも、すごいもんさ。

第1回レコード大賞は水原弘「黒い花びら」。これ、永久に変わらない事でしょ?エプスタ随筆大賞もおんなじです。第1回受賞作は、永久にその栄誉を保ち続けます。

審査に関しては、スズキスキー・高橋紅の審査員両名は、高橋基に審査を一任することになりました。彼もそれを了解し、遂にこの誌面で発表となります。

各賞に対して、高橋基による選考理由を、下に記載しております。また、授与される賞品も掲載しております。名無シーが心を込めて探しあてた物ばかりです。いずれも、中央に対する周辺、現在に対する古を代弁しています。

秋田県横手市在住・高橋基はクラウドファンディング「地元秋田の仲間とともに、クッキングアップルの郷をまもりたい!」を展開中です。

こちら、2021年1月18日(月)深夜11時で終了します。集まったお金は豪雪で損害を受けた農業施設の復旧と、折損したりんごの代替苗木購入などにも充てられます。こちら、そのURLです。
https://readyfor.jp/projects/cookingapple

ご支援・情報拡散などご協力いただけたら、すんごく嬉しいです。よろしくお願いします。では、いよいよ大賞および各賞の発表です。 (文責・鎌田浩宮)

 

 

大賞
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
著:藤坂鹿
テーマ;ビッグトゥモロウ

腐敗、汚染、侵食、ロクでも無い結末を予感させながら、最後まで目を離させないスピーディな展開に読み込まされました。廃墟となったヴィラ・コーポ笹野が崩れ落ちる時、禍々しいものが街に解き放たれるのでしょう。(高橋基)

賞品は大賞としてふさわしい、SCHONDSGN #01を差し上げます。
ステンレススチール素材を削りだして作られた、シンプルな構造のペンです。

 

 

読者賞
応募作品#1 老人と笑み
著:番場正志
テーマ;耄碌と恍惚

どの随筆が読者賞を取るのか?あれだろうこれだろう、スタッフとわちゃわちゃしとりました。毎日首位は変わり、接戦の様相。結局、現役銀行員による作品が栄冠に輝きました。内情ここまで書いていいのか。いや、いいのだという筆の勢いに、番場さんの信念を感じるんです。行内で秘密にすべき事なんかないぜ。組織だのシステムだの、しゃらくせえ。自己の中の正義のみに従う。ハマー!俺が掟だ。番場さんだけではないんですが、今後の執筆が楽しみでなりません!(開催者・鎌田浩宮)

賞品として地球の真裏のウルグアイ製、
手作り陶器のオウムを差し上げます。

 

 

読者賞第2位
応募作品#9 首から上の世界は…
著:梨乃
テーマ;耄碌と恍惚

僕は今、佐藤由美子さんという音楽療法士が、ホスピスなどで終末医療に携わる本を立て続けに読んでいます。読むきっかけになったのは、梨乃さんのこの随筆を読んだからかも知れません。家族から見るとボケてしまったように見えても、聴力は健在である場合が多いんです。好きだった曲を聴くと呼吸がなだらかになり、楽しかった記憶が呼び起こされ、ストレスや不安や痛みが軽くなる場合もあるそうです。梨乃さんのおばあちゃんは、何を感じ、何を考えていらっしゃったのでしょう。梨乃さんの声は、おばあちゃんが好きだった音楽と等しかったのかも知れません。この随筆から学ぶ事はあまりあり、ご応募いただいて本当によかったと感じています。本当にありがとうございました。(開催者・鎌田浩宮)

賞品として、文鎮…啄木が愛した盛岡天満宮の石馬=狛犬を差し上げます。
南部鉄器の老舗の一品で、啄木ゆかりの神社に本物があるそうです。
啄木の作品にも出て来るとか。

 

 

開催者撰賞
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
著:表参道が好き
テーマ;お楽しみはこれからだ

この随筆の強烈なフォーカスが無いところがいいと思いました。写真のノーファインダースナップショットの様に、そこにある空気が乗るんです。こう言う日常の空気は、それが無くなった時、ああ、そうだったとしみじみ思い起こされるものです。何かを注視しすぎると見えないものです。湯水のようでいて、遠い未来には枯れる泉のような、大事にすべきとてもいいものです。(開催者・名無シー)

賞品として、スウェーデン・陶器製のダーラナホースを差し上げます。
今から400年も前、父親が子供に木を彫って作ったものが由来。
今では、幸せを運ぶ縁起物とされています。

 

 

裸の大賞
応募作品#5 我が家の家電製品
著:鎌田浩宮
テーマ;お楽しみはこれからだ

家電が長持ちするという話を「大切にものを使う」という文脈以外で書かれているのは珍しいと思います。しかも家電オタクっぽい話でも無いですし。何ともマイペースで脱線し放題な語り口にホッとするエッセイでした。(高橋基)

賞品として、アイヌ文化において
神の唇にお酒を含ませるための道具=イクパスイを差し上げます。

 

 

若大賞
該当なし

今回のエッセイには若さを感じるものはなかったです。(高橋基)

 

 

青大賞
応募作品#8 ミラノの奇蹟
著:鎌田浩宮
テーマ;ビッグトゥモロウ

鎌田さんの作品ばかりが多くなってしまいましたが、自分は世捨て人、余生を生きている、みたいなことを語りつつ、自分の育った街を何とか支えようと奔走する姿が面白いし、それに応え共鳴する方々の登場に救いを感じました。なんか人生捨てたもんじゃ無いという気持ちにして貰える作品でした。(高橋基)

賞品として、滑石のイヌイットの犬の彫刻を差し上げます。

 

 

のんき大賞
該当なし

外国語随筆部門ってあるけど、外国語随筆なかったので該当なし。(高橋基)

 

 

Mr.Boo!ギャンブル大賞
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日
火山、川、犬、人のことなど

著:名無シー
テーマ;おれは悪くない

「血」を感じさせる私小説的なすぐれた作品だと思います。自らの内側に確かに流れている「一族」という「血」があります。人はすべからく歴史的な存在であるということは、日常の中ではあまり自覚しないものですが、ふとしたときに刻まれたDNAを感じることがあります。この作品を読んだとき、その感覚が蘇りました。(高橋基)

賞品として、ホイ3兄弟に敬意を表しつつ、宝くじを差し上げます。

 

(受賞者へのインタビューは次回「受賞コメント・エプスタ随筆大賞」へ続きます)

 

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

関連記事 併せてお読み下さいね。
募集・エプスタ随筆大賞
エプスタ随筆大賞のしほり
エプスタ随筆大将のしほり
エプスタ随筆対象のしほり
審査員決定・エプスタ随筆大賞
応募作品#1 老人と笑み
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
応募作品#5 我が家の家電製品
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど
応募作品#7 江戸Σ
応募作品#8 ミラノの奇蹟
賞品決定・エプスタ随筆大賞
応募作品#9 首から上の世界は…
読者賞発表・エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞


2021.01.14