コロナウイルスvs映画館 第3回

文/名無シー・鎌田浩宮
構成・一部写真/鎌田浩宮

2020年3月28日・29日。
小池都知事が外出自粛要請をした
最初の週末。

その2日間を、
語り合う。

外出しないと、
ストレスがたまる。

そこで僕は
こもる楽しさ
個である嬉しさ
を発信できれば。

独房の中でほくそ笑む
マックイーンのように。

コロナとの戦いは
長期戦かも知れない。
バテず
楽しみながら
越えていければ。

なお、連載第1回はこちら
2回はこちら

 


ミュンヘンを拠点とするYouTubeチャンネル・クルツゲザークトによる動画。
主に科学についての啓蒙動画などを制作している。名無シーさんの友達が見つけてくれた。

 

鎌田浩宮
おはようございます。僕の方では、以前出演したライヴハウスが経営難で、クラウドファンディングを開始したので、早速支援しました。今後、ライヴハウスや映画館で、クラファンを始めるところが増えるかも知れませんね。応援しようと思っています。

名無シー
本当に、場を守るのはそこに集まる人達ですね。


そうなりますよね…。学生の頃は、このように市民を守るアクションは、国や自治体がおこなうべきだと思っていました。今は、違います。安倍政権が市民を守るとは、到底思えません。

地震・豪雨・酷暑・台風。様々な災害が起こりました。安倍を頼りにしていても、気づいた時には死者が出ています。あんな馬鹿者のアクションを待つより、自分たちでアクションを起こさないといけませんね。

大好きな大江麻理子さんを観るためだけに、助兵衛心で録画している「WBS」という経済ニュース番組がありまして。ほとんどはつまらない報道なので観飛ばしていますが、レギュラーキャスターの山川龍雄さんがおっしゃっていたこと、その通りと思いました。

「経済が下降すると、自殺者が増える。リーマンショックの際にも、相当の自殺者が出た。その人数を当てはめると、コロナウイルスでお亡くなりになる人数よりも、今回の不況で自殺される方の人数の方が多くなる可能性が、大。そうならないために、今すぐ経済政策を打たなければいけない」

名無シーさんの今回の表明は、全く持っておかしなことではないんです。外へ出ない。金銭面でも、助け合う。

 

編集部注:警視庁「平成21年中における自殺の概要資料」によると、リーマンショックの翌年2009年の自殺者数は、32,845人。明らかになった原因・動機の第2位が「経済・生活問題」であり、その自殺者数は8,377人とある。

こうなると、失業者数も調べなければならない。総務省統計局「労働力調査(基本集計)平成21年12月(速報)」によると、完全失業者数は、317万人。

さらに総務局統計局「労働力調査(基本集計) 2020年1月分結果」によると、2020年1月現在の完全失業者数は、159万人である。

 

馬鹿夫婦を家から出すな

 


本当にそうですね、秋田県と岩手県は自殺者のランクの上位を占める常連ですが、自殺未遂で助かった人は、病院で医療スタッフの対応の他にケースワーカーがついて、経済状況に応じた公的補助を受けるためのサポートを受けるそうです。

現場では、経済と命は常に緊密に繋がっていると考えられているそうです。パートで手早く20万円とか言ってみたり、和牛券だ寿司券だと言っている反社集団の虚妄が、人々をそんな救いが必要な苦境に追い込んでいると言えるでしょう。


そうですね。あいつらは政治家ではなく、政治屋でもなく、反社集団。


正に!


だから、政治家=反社集団の言うことを信用しない。若い人は自粛しない。花見へ行ってる。ファッキン昭恵だって花見してるし。政治家の言うことはみんな嘘。だから、自粛しない。

総理大臣の嫁が花見でやりたい放題だもんな。誰も自粛なんかするわけない。非常事態宣言する前に、てめえの嫁を監禁するなりしないと。馬鹿夫婦、世界中の笑いもんだ。

 

 

92名の行方が

 


しかし、今回だけはヤバい。今回のコロナウイルスが抱えていることを、僕は名無シーさんから教わったんです。だから、今日も家から一歩も出なかった。ハロウィンの時に渋谷で暴れるのは、大賛成。でも、今回は家にいるべきです。


本当にひどいもんです。

ところで、アメリカが感染者数世界一に躍り出たと同時に、昨日、シカゴ発成田行きの便の乗員乗客92名が、新コロナ無検疫のまま入国したことが明らかになりました。その意味でも、これから先暫くは正念場だと言う感じがします。

この92名を追跡しきれず、市民にもう我慢は無理という緩みが蔓延すると、恐らくはこの後アメリカと同じように感染者数の実数(判明と言うだけでなく)も増え、スペイン経由、中国経由の分と併せ凄いことになるような恐怖を感じます。


そうですよ!


次に皆様に語りかけるのが、草葉の陰から等と言うことのないように、私も頑張りたいと思います。


医療崩壊も目の前です。イタリアやスペインやアメリカで死亡者が増えている原因のひとつは、医療崩壊です。院内感染が起こり、医師や看護師へも感染する。

同時にマスクやゴム手袋の不足、ベッドや人工呼吸器の不足が起こる。こうなると、本来治療によって改善できるはずの患者も、死に至る。…一部の障がい者施設でも、施設内感染が起きています。

 

ニューズウィーク日本版より無断転載しております

 

平日こそ問題だ

 


今、本当に通勤が怖いです。


本当のことを言うと、肝はそこですよ。休日に自粛しても、平日に拡散します。


そうなんです。満員電車は行く先が地獄です。職場ももうこれは判りません。


自転車や徒歩で通勤するのも限界があります。僕は気楽なもんです。無職ですから。


自転車また検討してますが、腎臓的にはきついですね。


平日も外出を自粛して、その分の収入を、国や自治体が金銭補償。これしかないはず。海外では、それをやっています。


それがベストですね。色々大変なこの折ににコロナが…… 本当に人類は、岐路に立たされていますね。一人一人の苦境が、全人類の苦境の縮図となっていますね。ライター稼業は休業中ですか?


ライターはやっていません。なんちゃって隠居でして。自宅にこもる喜びを、発信できればいいなとおこがましくも思っています。震災の時は、ミチロウや大友さんが祭りをやって、教授がNO NUKESを開催して。集うことができました。

しかし今は、集うことができません。なので、個であることのダイナミズムを、表現できれば…できないかも…。でも、友人の漫画家・松本英子の新刊は、そのことにトライしていてます。とても好きな本です。

 

マックイーンのように笑え

 


パプアなどの先住民に、イニシエイションとして若者が一定期間暗い家に閉じ込められると言う習俗がありますが、人類も今、成人するために籠もるのかも知れませんね。家を出るときには、羽化しているかも知れません。ぱたぱたぱた!


ありますよね、それ!「大脱走」という傑作。スティーヴ・マックイーン演じる捕虜の兵士、脱走しては捕まって独房入りして。その時、彼はずっと微笑んでいるんですよ。ニヤリとさえしている。独房で、平常心を保つ。よくそのシーンを思い出します。


我々は今、スティーヴ・マクウィーンになり切るしかない!


そう。こうして改めて観ても、僕の生涯愛する映画、10本の中に入ります。

 

 

こもる楽しさ、個が楽しい

 


ある捕虜の話を聞いたことがあるのですが、数人の捕虜の野郎共がその房にある椅子に、きれいな女性が座っていると仮定して日々の生活を送ったそうで、彼等は人に観られても恥ずかしくないよう身を正して暮らしたのですが、解放されるとき、皆、他の房より圧倒的に健康状態がよかったそうです。二次隊戦時のヨーロッパの話だったと思います。


おお。


その意味では、本が崩れまくっている我が家は、死に近いかも知れません。まずい!


ははは。うちも同じですよ!汚い!


コロナ時代の汚部屋、危うし!

 

 

ゲームセット後のジンセー

 


エプスタインズにて、今年の新年ご挨拶にも書いたんですが、2018年から19年にかけて、同い年の友人が2人立て続けに亡くなったんですね。その時僕のジンセーも、野球で言えば9回裏が終わってしまった、試合終了、ゲームセットになってしまった気がしたんです。

もう、いつお迎えが来ても、覚悟をしなければならない。準備をしなければならない。覚悟・準備していなくても、死んじゃうかもしれない。9回裏が、終わったのだから。

そう考えると、働いている場合じゃないなと思ったんです。若い頃は、仕事をクビになる事が怖かった。収入のない事が恐怖でした。でも、今はそうじゃない。おこがましくも、スティーヴ・マックイーンです。


取り敢えず、我々健康不安系、行き方も独自路線、死ぬにしても、コロナだけは乗り越えたいですね。我々のようなタイプは、冥土の土産話が中途半端では、本当にあの世でがっかりされかねません。見届けましょう。


はい。幸いにも、コロナで死んじまった場合、泣いてくれる友人が何人かいてくれていますしね。


ところで、生活費は大丈夫ですか? かくいう私もカツカツではありますが、助けて貰って今がある身、危ないときは少しでも、映画よろしく切れそうな縄でも助け合いたいと存じます。

 

 

嫁が花見してりゃ非常事態宣言無理だろ

 


本当にありがとうございます。そんなこと言ってもらえるの、なかなかないですよ。もうそろそろ貯金を食いつぶすんですが、不安はありません。妄想にすぎませんが、ゆくゆくは僕らも「やすらぎの郷」を作って、友人同士で過ごせればいいかな…。

先日終わっちゃった「やすらぎの刻~道」。素晴らしかったです。いいドラマなのに、隠居仲間を含め、これを観ている人に会ったことがないんです。「いだてん」もそうだった…。みんな観ろよ!

話を戻しますが、真面目な話、平日も外出自粛して金銭補償。これ必須です。単純に非常事態宣言だけしても、誰もついてこないぞ。


今朝も、朝帰りの学生達と電車が一緒でした!


外出自粛していないんですね。…ただし日常生活だけで振り返ると、若者、いい子多いです。60代以上の方が、マナーが悪いことがあります。


そう、お年寄り本当にマナー酷いですね。何故か。

 

 

地方自治は民主主義の学校

今、三軒茶屋駅前のNTT敷地内に計画されている、マンション新築の反対運動で、商店街の人と会うんですが、一部の高齢者の人種差別、ひどいんですよ。三軒茶屋の商店街に、朝鮮や中国出身の方のお店がないのは俺たちのおかげだと、平気で言います。


排斥運動をしていたくらいの勢い! 恐ろし。


地方自治は民主主義の学校と言われますが、いい経験をさせていただいています。


一筋縄では…


三軒茶屋においても、ほとんどの若者は無関心です。マンションもコロナウイルスも、大きな問題じゃないのかな…?ただ、少数の中に、出産したばかりの方が、建築主による説明会でも、奮闘してくださっていて嬉しいです。

家を建て替えたばかり、子供と三軒茶屋で一生過ごすんだと決意した直接にマンション計画を知り、絶望なさっています。日陰になるし、授乳を覗かれるかも知れない恐怖があります。


具体的な恐怖は矢張り行動に直結しますね。そういう意味では、今の政権のごまかし方が、まさにそうで、皆には判らないように改竄や、のらりくらりを繰り返す。皆、さっぱり、事の重みに気付かずにいる。


友人が言ってたんですが、今回の非常事態宣言は、戦争をやりたがっている安倍と自民党が、事前訓練をやりたいんだと。その通りです。事の重みに気付かないとダメだぜ。

第4回へ続きます…



2020.03.29