EPSTEIN TALKS ABOUT FUTENMA#56「名護市長選」

文・やんばるLOVE
構成・鎌田浩宮

2018年2月4日。
沖縄県名護市長選が、おこなわれた。

投票率は、76.92%。
前回よりも、0.21ポイント上回った。

自民・公明・維新推薦の渡具知武豊氏が、20389票で勝利した。
現職であり、社民・共産・沖縄社会大衆・自由・民進推薦・立民支持の稲嶺進氏は、16931票で落選。
稲嶺氏の獲得票は、全得票数の約45%であった。

早速エプスタインズは、名護市在住の一市民、やんばるLOVEさんへ、今回の選挙結果について思うところを訊いてみた。
現地の一市民の声、とっても大切だと思うから。

以下、お読み下さいね。

 

 

 

 

ロビー活動の影響か

いやはや、唖然とすると同時に暗澹たる気持ちになりました。僕は名護市民で、期日前投票しました。

妻には「妹とかママ友とかに選挙行くように勧めてくれ」とは言ってたんですが、ママ友に話した時の反応っていうが、気にはなっていたんですよね。
移住者である彼女の旦那さんは、観光で知られるホテルに勤務しています。自身はサービス業に従事していて、そこの先輩からも稲嶺さんお願いされてるんだ。基地ができるのは嫌だけど、どうしよっかなーと思ってる。という感じだったそうで。

ここからは僕の想像ですが、やはり大企業や地域行政、学会系からの圧力というか、こんないいことがある、こんな困ったことになる的なロビー活動が、今回は公明党が加わってかなり強まったんじゃないかという。

 

若者と、沖縄戦体験者との差異
そして、若年層同士でも違いが

あと、昨日友人がシェアしていた記事にこんなのがあります。

「基地は傷深める」「運動、敵つくる」名護の若者の選択
(2018年2月4日 朝日新聞より)

同じウチナンチュの若者で親しい間柄でも、考えは二分されてるんですね。
普天間を動かすにはしょうがない、早くなんとかしたい。というやさしさかなぁ、とも思ったり。

最近小説「琉球処分」を読んでるんですが、維新のころの琉球人の対応と、今の状況と全然変わってないんですよね。。
目前の状況打破のためには、犠牲もやむを得ない、的なやさしさというか、そもそも徹底的に争いを嫌う気質というのはウチナンチュの底に流れているのかな、と。

僕の視点もまだまだ一面的なので、もっと多面的な要因があるとは思うんですが、、長期的な想像力が目前の現実に押し倒されてしまった感ですね。。

 

名護に住む
内地の人間の
投票の行方

それと、名護市に移住し、投票権も持っているシマナイチャー(※)で企業人の多くは、無関心か、企業利益優先ぽいのかな。。

(編集部注:沖縄に住む内地の人間を指す)

類は友を呼ぶ、で僕や妻の周りには同じようなヒト…沖縄の魅力を残したい、だから基地には反対だという人がいっぱいいるんですけどね。

ただ、仕事で関わったヒトとは、基地問題とか沖縄が抱える問題について話したことないんですよね。つまり仕事で沖縄に来てる人はそっちに意識は向いてないですね。

沖縄が好きで移住したヒト、って名護市内では少数派ですねきっと。
僕の仕事柄、ホテルなどの観光関連業などで働いている方面のヒトとの関わりが多くなりがちです。

仕事の転勤での移住者は那覇の方が多いと思いますが、北部の移住者もおそらく企業系が多いだろうと思います。
沖縄が好きで移住している人、震災で避難してきた人などは北部には多いですが、それでも移住者全体からは少数派なんだろうということですね。特に今回の結果から推測するに、この4年間で増えた移住者というのは、北部の観光開発に携わる企業系の移住者が多いんじゃないかな、と思います。

 

 

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2018.02.05