子守唄

子守唄 

作曲作詞・鎌田浩宮

 

母ちゃんのおっぱいを たらふく飲んで甘えんぼ
父ちゃんが帰ってきた 一緒に遊ぼう甘えんぼ

早く大きくなっとくれ  そしたらお前と何をしよう

悲しみはいらない
遠回りさせたい
戸締りもせずに
散歩に出かけたら
そして一緒に歌を歌おう

母ちゃんのおっぱいを たらふく飲んで甘えんぼ
父ちゃんが帰ってきた 一緒に遊ぼう甘えんぼ

早く大きくなっとくれ  そしたらお前と何をしよう

不良と悪だくみ
弱い子とも楽しく
根無し草のよに
散歩に出かけたら
そして一緒に歌を歌おう

不自由な体でも
幸せならばいい
世間の尺度なんぞ
親のエゴなんぞ
眠れない日は子守唄を

でも今日は
母ちゃんと父ちゃんの
お唄を聴いて眠りましょ
お唄を聴いたら眠りましょ

 

遂に、今回のライヴ・不忘年会最後の曲となった。
キャマダが20代後半だったか30代前半だったか、友達のもんちゃんまきちゃんが結婚して、赤ちゃんが生まれた。
その時のお祝いに創った曲だ。
「赤ちゃんが女の子だったら、どんな名前にする?」
「そうだな、詩的な言葉がいいよな」
「じゃあさじゃあさ、ポエ美はどう?!」
「赤ちゃんが男の子だったら、どないする?」
「そうだな、有名な人から一文字取るか」
「じゃあさじゃあさ、SAM夫はどう?!」
「どれもこれもぶっ殺すぞキャマダ♡」
あの頃人気があったのは、安室奈美恵の旦那だった。
妻の七光りだった。

最後の曲を待たずに、ほとんどの客は帰ってしまっていた。
ステージに投げられ割れたビール瓶が、客の怒りの全てを表していた。
ギャラをもらおうと店員に駆け寄る。
「お前らの呑んだ酒代、破損した機材代、諸々差っ引いて、10万円の赤字だ。たった今払ってもらおう」
「分かった。財布を車の中に置いてきた。取ってくる」
駐車場までついてくる店員。
「タカツカさん、俺が車へ行くまでにエンジンを吹かしておいてくれ」
店員に聞こえないようにつぶやく。
既に楽器を積んだデグチさんとPacoが乗車している。
毎度の事だ。
毎度の事なのだ。
キャマダはあっという間に車に飛び乗り、猛スピードで逃走。
追いかけようとする店員の車のアクセルには接着剤が塗られ、踏み込めないようになっておる。
これも毎度だ。
毎度なのだ。
「あいつら、今度見かけたら殺してやる」
吐き捨てるように店員が叫ぶ。

ああ、舞天よどこへ行く。
目指せよシカゴ。
4人が子供の頃世話になった、教会の養護施設を救うのだ。


2016.12.03