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1979年10月25日(木) ユー・メイ・ドリーム
文・鎌田浩宮
ロックの、
人間の、
すごさ。
僕は、それほど熱心な聴き手では、なかった。
ただ、YMOが全面的に参加した「真空パック」は、小学生の頃、夢中になって聴いた。
それから十数年経って、細野さんが再びプロデュースを手掛けた「@heart」も、素晴らしかった。
「MAKOTO IS MY LOVE (TOMORROW BEACH)」や、細野さんとの友情を歌った「OLDSMOBILE ROCK」、サイコーの曲がサイコーのアレンジで紡がれていた。
細野さん自身も、50年代やそれ以前の音楽に傾倒し始めていた頃で、誠のギターやドラムスのタムの音が、とってもいいんだ。
ただの「ピコピコ」じゃない、ビートルズ以前のロックの音。
ロケッツのファンの中には、細野さんのプロデュースは「ピコピコ」していて嫌だ、という人もいるだろう。
だけど、シーナと誠と細野さんの信頼と友情の揺るぎなさを感じられる、この2枚。
シーナが旅立った時の細野さんのラジオの完全採録を読むと、シーナと誠が東京に来た時、細野さんとマーコさんと4人で、契約の話もしたそうだ。
それほどに、古く、深い間柄だったんだ。
ああ、大好きな曲。「スイート・インスピレーション」。
シーナ&ザ・ロケッツというバンドは、正統派のロックバンドであり、3コードであり、しかし時にはテクノポップ寄りになったり、阿久悠に全作詞を任せたアルバムもあるし、「スイート・インスピレーション」のような、あたかもモータウンのようにメロディアスな曲もあり、様々なものを貪欲に取り入れる事を、恐れないバンドでもある。
先日、BSフジで、『シーナ&ロケッツ 35th ANNIVERSARY”ROKKET RIDE TOUR@野音”2014.09.13』が、放送された。
もうメンバーは、シーナの事実を、知っていた頃だ。
誠がヴォーカルを取る曲が、多い。
シーナは、時々ステージに出てくる。
その時のシーナは満面の笑顔で、ぴょんぴょんと飛び跳ねてさえ、いる。
細野さんとの、友情。
そして、自身の代表曲としての、誇り。
アンコール前のラスト、この曲が演奏された。
俺が11歳の頃、1979年発表、「you may dream」。
シーナはだいぶ前から喉を痛めていて、もう声は出ないのに、昔とキーを変えずに歌う。
半ば、声は出ていない。
なのに、どの声よりも、僕らのソウルを揺さぶってくる。
涙が、止まらなくなった。
シーナって、すげえな。
シーナ&ザ・ロケッツって、すげえな。
ロックって、すげえな。
音楽って、すげえな。
芸術家って、すげえな。
人間って、すげえな。
こんなに、すげえんだ。
死期を知り、その直前まで、燃えかすもないほど、燃え尽くす姿に、泣いたのだ。
俺は、そんな生き方が、できるだろうか?
敢えて、このライヴの動画は、ここに掲載しません。
耳を澄まして、みて下さい。
聴こえてくるでしょう?
シーナの、歌声が。
Sheena & the Rokketsが、聴こえる。
「サイコーのバンドよ。本当に、私の夢よ。皆、夢を持って頑張ってね、私みたいに。いつも夢を、忘れないでね」
2015.03.18Column&Essay
