第10話「マイiPadの巻〜後編〜」

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前回の続き…

さてさて、仕事をいつものごとくそつなくこなし?

残業も、お付き合いの一杯も今日のところは、なしということで。

なぜって?そりゃあもう、まっすぐ家に帰って、

iPadの設定をしなければならないからでしょう。

そうだ、帰りにコンビニでiTuneカードを買って帰ろう。

とりあえず3000円分もあればいいだろう。

帰路につく

ただいま〜!といったところで、

エサと散歩を待つクリスが、ウォンと吠えるだけのいつもの平日。

まあ、そんなことはどうでもいい。

コンビニで買った弁当と3,000円分のiTuneカードを手にリビングへ

「あらら?」

ソファーの上に置いてあったはずのiPadがない。

エサをほしがり足下にまとわりつくクリスに

「iPadしらねぇ?」と、意味なくつぶやく。

んなこた、知るわきゃねーだろ!ハヤクエサヨコセ!と吠える。

とりあえず、エサだけやり、おとなしくなった隙に部屋中を探す。

・・・ない。

ボクのiPad、いやボクのものとなるハズのiPadがない。

どこを探してもない・・・

新品の箱もない・・・

いやな予感・・・

箱ごと持って行ったということは、まさか・・・

時刻は夜の10時過ぎ

カノジョはお仕事の真っ最中なので、

この時間は電話にはおろかメールの返信もしてはくれまい。

なんとなく、悪い予感がしつつも希望半分、諦め半分のメールを打つ。

「朝ソファーの上にあったiPadどうしたの?」 で、送信。

真夜中になるであろう返信を、試験の結果を待つ気持ちで待つ。

am2:38

「あーアレ?アゲハにあげちった♥」

アゲハ、ああ、同僚というか、キャバ嬢仲間のヤツか…

一度、ベロベロで明け方2人でウチにきて

シャンパン空けて大騒ぎしてリビングとトイレを汚して帰った

アノ小悪魔アゲハ…か。

はあ、やっぱな…

質屋で換金したと半ば諦めていたものの

人様にくれてやるとはね…

どうせくれてやるならボクにくれりゃあいいのにさ…

後日談、その小悪魔アゲハのヤツ、ヤマダでiPhone4を購入して

「やっぱiPadもデカイから買おう」となったとき、

「あ、それ客にもらったからあげるね!」となったらしい。

まあ、カノジョにとっては、どうせ興味のない貰いモンだったわけで…

休日、カノジョに無駄になったiTuneカードの話しをしたら

「ナンダ、ンじゃ、プレゼントしてあげるよ♥」と微笑みかけられた。

しかし、それはそれで、なんだかうれしくない。

iPad、結局、どうでもよくなってしまった。

タイミングというか、縁がないというかね…

また、どこぞの客にもらったらボクに頂戴!

そう、カノジョには聴こえないため息まじりの声でつぶやくのであった。

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2010.11.11